スパコン「富岳」、2部門で6期連続の世界一に:富士通が発表
スーパーコンピュータ「富岳」が、世界のスパコンに関するランキング「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」「Graph500」で6期連続の1位を獲得した
富士通と理化学研究所が共同開発したスーパーコンピュータ「富岳」が、世界のスパコンに関するランキング「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」「Graph500」で6期連続の1位を獲得した。HPCGは産業利用などで実際に用いられる演算能力を測り、Graph500はビッグデータの処理性能を示すランキングだ。
2020年11月まで4期連続世界一だった、演算能力を評価する指標「TOP500」では米国に次いで2位、AIの性能を示す「HPL-AI」では米国、フィンランドに次ぐ3位だった。
米国テキサス州ダラスで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「SC22」で、日本時間11月15日に発表された。
富岳は、20年4月の試行的利用を経て21年3月に共用を開始した。以来、ライフサイエンスや防災減災、エネルギー、ものづくり、基礎科学、社会経済などの幅広い分野において、社会実装レベルで成果を創出し続けている。
富士通は10月25日、富岳に採用されたテクノロジーをベースとした「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」を含むHPC技術や、組み合わせ最適化問題を高速で解く「Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer」など高度なコンピューティング技術やAIなどのソフトウェア技術を、専門の技術者だけでなく誰もが容易に利用できるようにクラウドサービス「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」として日本国内で提供を開始した。
同社は「今後も、本サービスを通じて、これまで培ってきた技術を幅広く提供し、高機能な新材料の開発や、感染症対策、輸配送の人手不足などの社会課題解決につながるよう、お客さまとの共創を進め、取り組みを加速していく」とコメントしている。
関連記事
- 富士通・時田隆仁社長に聞く「ジョブ型組織への変革」
富士通は4月、「ジョブ型人材マネジメント」の考え方に基づく新たな人事制度を、国内グループの一般社員4万5000人向けに導入した。経営的には22年の営業利益を4000億円と強気の数字を掲げている。時田隆仁社長にその意図と、今後の展望を聞いた。 - 富士通・時田隆仁社長に聞く「年収3500万円」の運用状況 みずほシステム障害への対応は?
富士通の時田隆仁社長に、今後の事業展開の方向性を聞いた。 - 富士通「年収3500万円」の衝撃 ソニー、NECも戦々恐々の「グローバル採用競争」
「富士通3500万円」「NTTコム3000万円」「ソニー1100万円以上」「NEC新卒年収1000万円」――。優秀な人材を獲得するためにカネに糸目をつけず施策を展開する各社の危機感と焦燥。繰り広げられる採用“狂騒曲”の本質に迫った。 - NEC森田社長に聞く「新卒年収1000万円施策」の効果 魅力的な職場を作ることこそマネジャーの仕事
NECは顔認証に代表されるように世界でも有数の認証技術を持っている。加えて月や火星探査などの宇宙開発など夢のある技術開発に長年注力してきた。今後の展望を森田隆之社長に聞いた。 - 上場企業の「想定時給」ランキング、3位三井物産、2位三菱商事 8000円超えで「ぶっちぎり1位」になったのは?
上場企業の「想定時給」ランキング……。3位三井物産、2位三菱商事に続き「ぶっちぎり1位」になったのは? - 「年商1億円企業の社長」の給料はどれくらい?
「年商1億円企業」の社長はどのくらいの給料をもらっているのか? - NEC「新卒年収1000万円」の衝撃 年功序列の廃止か、「3流国への没落」か
NEC、ソニー、NTTコミュニケーションズ、DeNA、富士通……。高い報酬を払ってでも新卒の優秀な技術者を採用したいという機運が高まってきた。年功序列に縛られた日本企業は果たして変われるのだろうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.