天気に合わせた販促を強化するコカ・コーラが、「雨の日割り引き」をしない理由：“ウザイ広告”ではなく気の利いたサービス（3/3 ページ）

コカ・コーラは、天気による感情・行動の変化を活用した販促活動を強化している。しかし、雨の日に合わせた施策を実施していないという。なぜなのか。

[大村果歩，ITmedia]

“ウザイ広告”ではなく気の利いたサービスを

　気象情報の連携による販促は効果があると感じつつも、実行しなかった施策がある。「雨の日割り引き」だ。コカ・コーラでは、寒い日×降水のある日（雪が降るような日）に施策は行っているが、雨の日限定の特典は用意していない。

　「暑いと喉が渇く、寒いとホットが飲みたくなるということは自然ですが、雨が降っているのに自販機に出掛けてくださいというのは不自然ですよね。まさに“ウザイ広告”だと思っていて。お客さまが自然だと思える行動に対して、少し背中を押せるような情報発信を心掛けています。

　また、商業すぎるとウザイと感じてしまうので、『こういう時にこういう情報届くとうれしいよね』『どういう接客をされたらうれしいかな？』という生活者の視点は非常に重視。“ウザイ広告”ではなく便利な気の利いたサービスと思ってもらうことを心掛けています。

　そのためには、一人一人に対して関心のある情報を、ちょうどいいタイミングで届ける必要があります。今後も『いつ、誰に、何を届けるのか』の精度を磨き、よりパーソナライズした情報発信ができるように努めていきます」（宇川さん）

雨の日限定の特典は提供しない　寒い×降水がある日はホットドリンクを訴求