VTuberを活用した新しいマーケティングビジネスとは? キャラクター・コマース市場の課題を聞いた:物産展で顧客を開拓(3/3 ページ)
VTuberを活用してキャラクター・コマースという新しいビジネスが勃興してきている。バーチャル物産展などを開催して、生産者や企業の売り上げ・認知拡大やブランディングに貢献しているuyetに課題と戦略を聞いた。
インフルエンサー起用よりも「身近さ」を優先
――VTuberは人気のある人を優先的に起用するのでしょうか。物販の宣伝などでは経験のないVTuberにはトークの仕方などは事前に教えるのですか。
梶田: インフルエンサーのVTuberを使った方が効果的だという見方もあります。ですが、われわれはインフルエンサーだけでなく、より身近に感じられるマイクロインフルエンサーを起用していくことも重要だと考えています。
有名な方が宣伝してくれることも重要かもしれませんが、親近感のある方が本当に思っていることを話してくれるユーザー体験の方が、ユーザーにもより信頼していただけると感じているためです。
またVTuberやVライバーに、できるだけ多くの仕事の機会を作り出すことが新たな活躍の場を生み出すことにもつながると考えており、マイクロインフルエンサーも積極的に起用していきたいと考えております。
金井: VTuberには、イベントを行う前に出店した企業からのメッセージや商品へのこだわりは伝えていますが、トークの仕方はお任せしています。物産展などのイベントでVTuberが本当においしそうに試食して、良いものだということが伝われば購入してもらえます。ファンだからと言って、何でも受け入れる方は多くはいません。
――物産展などイベントをして購入する客にはVTuberのファンが多いことは分かりましたが、それではファン以外にあまり広がらないのではないでしょうか。
梶田: VTuberのファン以外のユーザーに波及して、その後に商品のファンになった事例はこれまでいくつも存在します。
最初はVTuberのファンだからという理由で商品を買ったとしても、その後商品を体験し、商品の魅力に気づいてリピーターとなっている事例が実際に物産展で多く起きています。
その中でも弊社が力を入れているのがUGC(User Generated Contents)です。商品を購入した方々がSNSで発信してくださるか、どのようにすればUGCがたくさん生まれるかを考えながらマーケティング活動を展開し、より多くの方に商品に興味をもっていただけるよう工夫しています。
始めてまだ半年のサービスですが、VTuberのファンの方以外にも購入者を広げていきたいため、まずはそれらの商品をより多くの人に知ってもらうためにはどうしたらいいのか、また他の人に購入を勧めたくなるくらいの体験にどうやったらできるのか研究を重ねています。
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