発売から3カ月 新型クラウンは売れているのか?:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(2/3 ページ)
今年の7月に発表された新型クラウン。この秋からは、第一弾となる「クラウン(クロスオーバー)」の販売が開始されました。どれだけ売れているのでしょうか?
新型クラウンはどれだけ売れている?
クラウンの販売台数をトヨタの広報に問い合わせてみました。すると、「大変申し訳ございませんが受注数は公表しておりません」との断りの上、実際の販売台数は以下のようだと言います。ちなみにトヨタの数字は、1桁が四捨五入されていることもあります。
9月:1170台
10月:2500台
11月:1990台
3カ月合計で5660台。1カ月平均では約1887台です。この数字はどれだけのものなのでしょうか?
まず、トヨタは月販基準台数として3200台/月を挙げていますから、9〜11月の実績は、目標の6割程度でしかありません。ただし、旧型を販売していた、1〜6月の成績は8300台(日本自動車販売協会連合会「乗用車ブランド通称名別順位」より)の約1353台/月よりはマシです。
2018年6月に発売した先代の15代目クラウンは、7〜9月の3カ月で1万8962台(日本自動車販売協会連合会「乗用車ブランド通称名別順位」より)、約6321台/月を売り上げています。その前の、14代目クラウンは、デビュー直後の13年には8万2701台、約6892台/月を販売しました。
さらに前、1995年に誕生した10代目クラウンのデビュー翌年96年の販売台数は13万7676台で、1万1473台/月。つまり、90年代のクラウンは毎月1万台以上が売れており、00年代以降も月に6000台レベルで売れてきました。
それに対して、最新の16代目では、目標が3200台/月で、実績が約1887台です。
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