東京モーターショーはどうあるべきか トヨタ社長が憂う日本の未来:高根英幸 「クルマのミライ」(2/6 ページ)
2023年の秋、4年ぶりに東京モーターショーが開催される。リーマンショックをきっかけにモーターショーの活気が失われつつあるが、どうすれば“復活”するだろうか。
これは米国ビッグスリーの業績が悪化した2000年代終わりあたりから、少しずつそうした傾向が強まっていったものだ。TMSへの出展を取りやめたのは、リーマンショックが業績悪化追い討ちをかけGMが経営破綻し、残る2大メーカーも余裕がなかったことがきっかけだった。
そのころまでのTMSは中国や韓国の自動車メーカーのエンジニアも多数来場して、日本車や欧州車のシャーシをのぞき込むようにして調べ、参考にしようとしていた。クルマを撮影しようとしていたわれわれ報道関係者にとっては、ちょっとうっとおしい存在でもあったが、彼らもまた仕事で東京モーターショーから情報を得るために一生懸命だったのだ。
ともあれこうした経済情勢の変化の影響を受けながら、その対策としてTMS自体、さまざまな試みがされ時代とともに変化してきた。ドイツを手本にして商用車を別にした時代もあったが、乗用車と分けてしまうと来場者が伸び悩み、イベントとして採算が取れないこともあって、1回限りで元の乗用車との併催へと戻されたのだった。
そして、11年には幕張メッセから東京ビッグサイトへと会場を移した。これは、アクセスの良さからのことだったが、海外からの出展が減少したことでメッセほどの広さを必要としないことも理由だったのだろう。
筆者は小学生のころ、親に連れられてTMSに行って以来、幾度かのブランクを経て数え切れないほど足を運んできた。そして報道関係者となって晴海から幕張メッセへと変わり、メッセの施設すべてを使って、さまざまな展示を行なっていたころは、取材するのも数日がかりで大変だっただけでなく、海外にも自慢できる規模と内容のモーターショーとなったことで誇らしい気持ちにもなったものだ。
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