東京モーターショーはどうあるべきか トヨタ社長が憂う日本の未来:高根英幸 「クルマのミライ」(4/6 ページ)
2023年の秋、4年ぶりに東京モーターショーが開催される。リーマンショックをきっかけにモーターショーの活気が失われつつあるが、どうすれば“復活”するだろうか。
さまざまな体験の機会を存分に提供すべき
モビリティの楽しさを伝えるのは、試乗してもらうのが一番だ。これまでの東京モーターショーでも超小型モビリティの試乗は行なってきたし、会場周辺はFCバスが走っているなど、単に見るだけではない体験型のコンテンツも存在していた。
だが超小型モビリティの試乗枠はすぐに埋まってしまうほど人気であった。つまりそれ以降は乗りたくても乗れない状態となっていたので、来場者の中には物足りない思いをされた人も多かったに違いない。
筆者はJAFが主催するイベント、モータースポーツジャパンで、自分も所属するAJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)が併催するモータージャーナリストによる同乗試乗会でドライバーを何度も務めたことがある。これは自動車メーカーやインポーターに最新のクルマを提供してもらい、われわれモータージャーナリストや若手レーシングドライバーが運転するクルマに同乗して、その走りを味わってもらうものだ。これはTMSでも開催されたことがある。
モータージャーナリストと巡るガイドツアーでもガイドを務めさせてもらってきたが、こちらの催しも好評のようである。筆者がガイドを務めたツアーを選んでくれた来場者の中には「久しぶりに修学旅行の学生のようで楽しかった」と言ってくれた人も多かった。こちらとしては迷子(大人であるが……)が出ないよう気を配りながら、説明をしながら会場内を歩くのはなかなか大変だったが、また再開するのであれば喜んで協力したい。
操縦する楽しさ、新感覚な移動の喜びを伝えるには、やはり実際に体験してもらうことが最善であるし、そうした内容は集客に結びつく。
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