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東京モーターショーはどうあるべきか トヨタ社長が憂う日本の未来:高根英幸 「クルマのミライ」(5/6 ページ)
2023年の秋、4年ぶりに東京モーターショーが開催される。リーマンショックをきっかけにモーターショーの活気が失われつつあるが、どうすれば“復活”するだろうか。
ドライビングシミュレーターも家庭用ゲーム機に毛の生えたようなものではなく、ステアリングやペダル操作のフィールが実車のように素晴らしいものがあるし、操作や路面状況によって発生するGやモーメントを再現(といっても疑似的なので実際の数値よりは大分少なめだが)してくれるモーションシムもある。
助手席でもクルマでの移動は楽しめるのだから、映画の4D技術を取り入れてドライブ気分が味わえるコンテンツを提供することもできるだろう。これまでのTMSでも、日立オートモーティブシステムズ(現:日立アステモ)がモーションシートのスタンドとVRゴーグルを導入して走りを疑似体験できる展示を行なってきた。
インフォテイメント(情報と娯楽を組み合わせた造語)や自動運転で移動中の余暇を想像させる展示物はこれまでも存在したが、もっとエンターテインメント性を高めたほうがいい。こういったアトラクション的な展示をもっともっと増やすことで、観客はイベントに積極的に参加できる。
ドライビングシミュレーターによるバーチャルな試乗やプロのドライバーによる同乗試乗、説明員を助手席に乗せてのクローズドコースでの試乗など、さまざまな試乗体験をいろいろな場所で出展企業が提供するようになれば、会場内の混雑も分散されて、たくさんの来場者が楽しめるものとなるだろう。
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