「青春18きっぷ」包囲網が完成? JR各社の乗り放題きっぷがそろった:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(4/6 ページ)
「青春18きっぷ」が発売される。片道71キロメートル以上の往復で元が取れ、LCCや夜行バスでワープしてから使うのもいい。だが、ほかの交通手段と組み合わせるなら「青春18きっぷ」にこだわる必要はない。「青春18きっぷ」に代わるきっぷをつくるなら、筆者には心待ちの大本命がある。
【JR四国】
- 販売価格:1万6440円(デジタル版は1万6000円)
- 利用期間:通年(デジタル版は23年4月2日まで)(いずれも連続3日)
- 発売期間:通年(デジタル版は23年3月31日まで)
JR四国全線が特急列車自由席を含めて3日間乗り放題。JR四国バスも2路線が乗り放題対象となっている。デジタル版が期間限定販売中で、440円安い。駅レンタカーSクラスを1日3000円で利用できる点も見過ごせない。鉄道のない室戸岬や足摺岬へ足を延ばせる。JR四国はフリーきっぷが抱負で、このフリーきっぷを主軸とした派生商品が多い。
- 販売価格:2万950円
- 利用期間:通年(連続4日間)
- 発売期間:通年
四国フリーきっぷのグリーン車無制限版。JR四国全線と土佐くろしお鉄道線が、特急列車グリーン席、普通車指定席を含めて4日間乗り放題。JR四国バスも2路線が乗り放題対象となっている。さらにこちらは土佐くろしお鉄道も含まれる。駅レンタカー3000円も同じ。四国フリーきっぷとの価格差は4510円。
- 販売価格:1万240円(グリーン車用)、9680円(普通車自由席用)
- 利用期間:23年4月2日まで(連続3日間)
- 発売期間:23年3月31日まで(出発の1カ月前から当日まで)
四国グリーン紀行を誕生月の人限定でさらにおトクにしたきっぷ。ただし有効日数は3日となって1日少ない。購入時と利用時は誕生月を示す公的書類が必要だ。同一行程で旅する3名までが誕生月本人と同じ価格で購入できる。家族や友人と旅を楽しめる。駅レンタカー3000円特典も利用可。
※このほか、JR四国全線の特急自由席に乗り放題の「スマえき平日限定四国1日フリーきっぷ(おとな7900円)」や、徳島〜室戸岬〜高知間の鉄道とバス、DMVに乗り放題の「四国みぎした55フリーきっぷ(おとな5500円)」などがある。詳しくはこちら
【JR九州】
- 販売価格:1万1000円
- 利用期間:通年(1日間×3回)
- 発売期間:通年(購入日から3カ月間有効)
JR九州の普通列車自由席が乗り放題になるほか、福岡市営地下鉄や西日本鉄道を含む九州のすべての私鉄が乗り放題になる。九州新幹線、山陽新幹線、在来線特急、南阿蘇鉄道のうちトロッコ列車は利用できない。
※このほか、JR九州の普通列車快速列車に乗り放題で、別途特急券購入で特急列車や九州新幹線、西九州新幹線に乗れる「ぐるっと九州きっぷ(インターネット予約でおとな1万4300円、窓口販売でおとな1万5800円)」、60歳以上限定で新幹線や特急自由席に乗り放題の「ハロー!自由時間ネットパス(インターネット予約専用で全九州版1万9800円、北部九州版9800円」などがある
これらのきっぷは通年販売タイプと期間限定販売タイプがある。期間限定版は青春18きっぷの期間と重なる。レンタカーなど、独自の特典が付いたきっぷもある。利用者にとって、青春18きっぷより旅のスタイルに合うかもしれない。JR各社は「そろそろ青春18きっぷから当社単独のおトクなきっぷを使ってもらいたい」と考えていて、各社が新しいきっぷを開発した結果、青春18きっぷ包囲網のようなきっぷ群が誕生している。
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