「褒め下手な上司」が知るべき2つの原則 ただ褒めそやしても、部下は育たない:「モチベーションのため」は誤解!(2/3 ページ)
「どう褒めていいか分からない」「何を褒めればメンバーの成長につながるのかが分からない」と、部下を褒めることに苦手意識を持つ上司は多いようです。適切に人を褒めるとは、どういうことなのでしょうか?
メンバー育成は育児に似ている? 両者に共通する「褒め」の原則
メンバーの成長につながる褒め方は、実は育児にヒントがあると筆者は考えます。
子どもは物事をやってみて自分に合うかどうかを感覚的に理解していきます。親はそのための機会を提供します。最初はできなくて当たり前でも、そこを乗り越えてもらえるはずだという期待を込め、褒めるのです。
親が子供を褒める時、そこには2つの原則があります。
(1)行為そのものを褒める
子どもがサッカーの練習をしている時、「やったね!」「そうじゃない!」などの言葉は褒めや注意ではなく、感情の押し付けにしかなりません。
そうではなく、子どもがボールを蹴った時に「うまく蹴れたね!」という行為そのものについて言葉にすることが重要です。子どもは「ボールを蹴ること」そのものが楽しく「得意だ」と自覚していくようになります。
(2)タイムリーに褒める
例えば、ボールを蹴ってから1週間も時間が空いてから「あの時のキックは良かったよね」と褒めることはあまりないでしょう。子どもを褒めるべき時は、常にその瞬間です。
ボールを蹴った時、挨さつができた時、できたことに対して「ナイスプレー!」「ちゃんとできたね!」とすぐに反応してあげることで、子どもは「自分はこれを上手くできているんだ」と学習していくものです。
子ども自身が、自分に合っているかな? できるかもしれないな? と考えながら何度もチャレンジしてみる。このプロセスに乗せるために、親は子どもを一生懸命褒めるのです。
この「褒めの原則」は、決して子どもだけに当てはまるものではありません。
大人だからといって「時間を空けてから褒められた方が、より熟成されてうれしさが増す」なんてことはありません。メンバーに対しても同様に、「行為に対して」「その瞬間(タイムリー)に」フィードバックしてあげることが、褒めの鉄則です。
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