「住まいのプロ」が解説 リモートワークの生産性を高める物件選びの“金科玉条”:ビジネスハックラボ(5/5 ページ)
コロナ禍以降、定着したリモートワーク。せっかくなら、これまでのオフィスではできなかった仕事の仕方をしたいと考えている人もいるのでは。リモートワークを楽しむ物件の選び方を、住まいのプロが解説する。
図書館など公共施設を使い倒してみる
立地でいえば、近くに自然環境以外で図書館があるとうれしい。最近の図書館ではWi-Fi完備でかつ館内にリモートワークができるスペースがあったり、ビジネス書その他役に立つ資料がそろっていたりするので、まるでオフィスのように使えるものもある。
図書館によって設備、使い方のルールなどが異なるため、使い勝手は個別に確認する必要があるが、無料で席、Wi-Fi、資料などが使えることを考えると活用しない手はない。
筆者個人的におすすめの図書館は中央区の「本の森ちゅうおう」だが、同エリアで家を借りる・買うのはややお高め。都内であれば他に建物のスタイリッシュさで人気の「武蔵野プレイス」(武蔵野市)、逆にレトロな赤レンガ倉庫を利用した「北区中央図書館」(北区)、国内最大級に雑誌がそろう「都立多摩図書館」(国分寺市)などもいい。
武蔵境駅南口「境南ふれあい広場公園」に面して建つ武蔵野プレイスは、図書館などが入る武蔵野市の複合施設。書斎的に使える電源、Wi-Fiの使える個人席(有料)、読書や調べものができる学習スペースなどさまざまな使い方ができるように作られている(撮影:筆者)
図書館以外の公共施設もチェックしておきたい。図書館同様、最近整備、改修した施設では民間スポーツクラブ顔負けのクラスが安価に用意されていることがあり、近場で気軽に気分転換できる。
食事をアウトソースするのも手
リモートワークでは、毎日食事の用意をするのが大変なこともある。食事がてら仕事もできる飲食関係の施設も見ておくといい。その筆頭はカフェだが、毎日同じ店で何時間も居座るのは何となく肩身が狭い。可能であれば、いくつもローテーションできるようにしておくと、気が楽だ。
食事にこだわりがある人なら近所の飲食店、デリバリー事情も毎日の満足度に直結する。現地に行かなくても食べログその他のグルメサイトで検索をすれば、そのエリアにどんな飲食店があるかは分かるし、デリバリーサイトで地域名を入れるとどんな店がデリバリーをしているかが分かる。忙しいときでもしっかり食事をとりたい人なら、要チェックだ。郊外に行くとデリバリー可能な店が少なかったり、ランチに行くのが遠くて面倒だったりもするので、自分の生活スタイルと合わせて見ておきたい。
リモートワークが浸透した今、働く場所を自身で選べるのは大きなメリットだ。生産性を高めるとともに、仕事を楽しむ上で、ぜひ参考にしてほしい。
著者プロフィール
中川寛子(なかがわ ひろこ/東京情報堂代表)
住まいと街の解説者。(株)東京情報堂代表取締役。路線価図で街歩き主宰。
40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくりその他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
主な著書に「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版社)など。宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。
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