ChatGPTってビジネスで使えるの? 訝しむ人が知らない「使いこなし方」:本田雅一の時事想々(4/6 ページ)
ChatGPTが大きな話題となっている。実際に使ってみて「これをビジネスで本当に使えるのか?」と訝しんでいる方もいるかもしれない。ChatGPTが得意なことと苦手なこととは? ChatGPTを始めとする自然言語AIをビジネスツールとして使う場合のコツや考え方について解説する。
要約を依頼してみよう
GPTアルゴリズムが得意するもう一つの分野は、あらかじめ作られた文章の構造を分析し、その要約を作ることだ。もちろん、元になる文章そのものが破綻していたり、意味を成していない場合は要約でも良い結果は得られないが、記事やレポートの要点を知りたい場合は“参考”になる。
参考とわざわざ書いているのは、AIは入力した記事の意味を把握しているわけではないからだ。あくまでも、要点と思われるデータ列を生成しているにすぎない。
試しに、この記事の前段までの文章を要約するようChatGPTで指示してみた(画像5)。
ChatGPTの開発元がマイクロソフトである、など誤読している部分もあるが、これは人間でも取り違えそうな部分だ。いずれにしろ、詳細は掘り下げて中身を見るとして、どのようなことを伝えようとしているのかは理解できる。
実はこの機能はマイクロソフトがブラウザのEdgeに実装したbingサイドバーで利用すると便利だ(この場合、要約を担っているのはChatGPTではなくマイクロソフトのbingになる。元になっている技術は同じ)。
EdgeでマイクロソフトのAI技術に関する発表文を表示した上で、bingサイドバーから「左のページに書かれている内容を要約してほしい」としてみた。なお、bing検索においてURLを指定して要約を依頼してもいい(画像6)。
こうした要約の長さが短いと感じたならば「長めの要約を」などと指定するといいだろう。要約が得意なことはGPTの美点の一つだ。GPTを応用したbingのチャット検索では、無駄に長ったらしくさまざまな情報を冗長に織り込んで検索エンジン対策を行いつつ、結論が全く見えないといった、情報検索時にはストレスの要因にしかならないようなアフィリエイトページを避けることが可能だからだ。
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