Z世代はキャリアを会社に任せない──人事が見る他世代との「違い」:どんな価値観が違う?
就職情報企業の学情(東京都千代田区)は企業・団体の人事担当者を対象に「Z世代の採用」に関する調査を実施した。その結果、他の世代との違いや価値観の変化を感じると回答した担当者は約6割。「希望する部署に配属されるかを意識する学生が増えている」など「自律的なキャリア形成」への関心の高まりを指摘する声が寄せられた。
Z世代に対し、他の世代との価値観の違いを感じるか? 就職情報サイトを運営する学情(東京都千代田区)は企業・団体の人事担当者を対象に「Z世代の採用」に関する調査を実施した。
その結果、他の世代との違いや価値観の変化を感じると回答した担当者は約6割。その内容は?
Z世代の採用活動や新入社員の受け入れにおいて、他の世代との違いや価値観の変化を感じることがあるか尋ねると、「感じることがある」(24.5%)と「どちらかといえば感じることがある」(33.5%)を合わせて58.0%の担当者が他の世代との違いや価値観の変化を感じると回答した。
価値観の変化を感じると答えた担当者からは、「希望する部署に配属されるかを意識する学生が増えている」「自身のキャリア形成や、ジョブローテーションの制度を意識する学生が増えている」「“やりたいこと”や”経験したいこと”“身につけたいスキル”が明確な学生が増えていると思う」など、自律的なキャリア形成への関心の高まりを指摘する声が寄せられた。
価値観の変化や、「キャリアの自律」への関心の高まりを受けて、新入社員の受け入れ方法や人事制度を変更しているかについては、「変更した」と回答した担当者は14.4%だった。また、「変更はしていないが、変更を検討している」と回答した割合は42.5%と、半数以上は「変更」または「変更の検討」をしている段階だった。
新入社員の受け入れ方法や人事制度について、変更したことや変更を検討していることを尋ねると、「研修制度」が57.9%で最多となった。次いで「給与体系」(42.1%)、「上司と部下のコミュニケーション方法」(41.6%)と続いた。
研修制度について企業からは、「自身の人生について考える研修を新たに実施するようになった」「若手向け、管理職向け、経営者向けなど階層別の研修の充実を図っている」などの声が寄せられた。
また、給与体系や評価制度については、「年功序列型の給与体系から、個人の業績・成果に連動する給与体系に変更した」「人事評価の項目を刷新した」などのコメントがあった。
調査は2月20〜28日、インターネットで実施した。有効回答数は612件。
関連記事
- 「部下を育てられない管理職」と「プロの管理職」 両者を分ける“4つのスキル”とは?
日本企業はなぜ、「部下を育てられない管理職」を生み出してしまうのか。「部下を育てられない管理職」と「プロの管理職」を分ける“4つのスキル”とは? 転職市場で求められる優秀な管理職の特徴について解説する。 - 「優秀だが、差別的な人」が面接に来たら? アマゾン・ジャパン人事が本人に伝える“一言”
多様性を重視するアマゾン・ジャパンの面接に「極めてだが優秀だが、差別的な人」が来た場合、どのような対応を取るのか。人事部の責任者である上田セシリアさんに聞いた。 - スシロー、おとり広告で「信用失墜」し客離れ──それだけではない業績悪化のワケ
最近のスシローといえば、おとり広告の問題で景品表示法に係る措置命令を受けてしまった件は記憶に新しいことでしょう。こういった問題が起きるとどのような影響があるのかを「減損損失」という視点から見ていきます。 - 社長は「トヨダ」氏なのに、社名はなぜ「トヨタ」? “TOYODA”エンブレムが幻になった3つの理由
日本の自動車産業をけん引するトヨタ自動車。しかし、同社の豊田社長の名字の読み方は「トヨダ」と濁点が付く。なぜ、創業家の名字と社名が異なるのか? 経緯を調べると、そこには3つの理由があった。 - ファミマに吸収合併されたコンビニはどれ? 「ポプラ」「スリーエフ」「am/pm」
ファミリーマートの店舗を目にしたとき、「そういえば、ここは数年前まで別のコンビニじゃなかったっけ?」と記憶をたどったことはないだろうか。同社はこれまで、複数の企業を吸収合併してきた歴史を持つ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.