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「来場証明NFT」がじわじわ広がる 推し活の新たなビジネスモデル:仕掛け人に聞いた(3/5 ページ)
推し活の新たなビジネスモデルとして「来場証明NFT」の活用が広がっている。イベントに来場した証明書を配布するものだが、どのようにファンビジネスに貢献するのか。同サービスを手掛けるplayground社の社長に話を聞いた。
目指すのは熱狂度の高い「ファンダム」の形成
取材中、伊藤氏は「ファンダム」という言葉を連呼した。ファンダムとは、愛好家を意味する「fan」と管轄、状態、集団などを意味する接尾辞「dom」を組み合わせた造語で、熱狂的なファン集団によって形成された文化を指す。
ファンダムを持つアイドルやアーティストは、ファンが自主的に応援してくれる事業パートナーのような存在になっているという。伊藤氏は、こういったファンとの共創関係がスポーツやエンタメ業界で盛り上がりつつあると主張する。
実際に来場(活動)証明NFTを活用したスポーツチームの実例もある。バレーボールチームのヴォレアス北海道では、22年から23年にかけて、来場証明NFTの付与に加え、「グッズ購入」「スタッフ遭遇」「スポンサーのブース立ち寄り」などの活動に対しても証明書(NFT)を付与した。
さらに、来場者だけが購入できる「ファンダム証明書(NFT)」の発売や、特別な撮影許可を有する「準公式カメラマン」の権利付チケットも発売。これらの施策により、ファンとの共創関係構築への手応えを得られているという。
結果的に、証明書獲得の参加者はコアファンが中心となっており、普及には課題があった。一方で、一度証明書を取得し始めたファンは平均で11.1枚(全14種類)の証明書を取得するなどファンダムの形成に寄与することが分かったという。
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