和太鼓や管楽器を電子化!? 創業51年目のローランドが挑む音楽市場のゲームチェンジ:ピコ太郎ブームの裏にローランドあり?(1/4 ページ)
2022年に創業50年を迎えたローランドでは、音楽や楽器の「ゲームチェンジ」を掲げ、その一環としてさまざまな楽器を開発している。果たしてどんな楽器として仕上がっているのか?
「ローランド」という言葉を聞いて、多くの人はホストで実業家のローランド氏を連想するかもしれないが、楽器が好きな人であれば、全く違うものを連想するだろう。日本が世界に誇る電子楽器メーカー・ローランド(浜松市)だ。
同社はシンセサイザー・電子ピアノ・ギターエフェクターなど多岐にわたる楽器分野で世界的に高いシェアを有している。特にギターアンプの「JC‐120」は世界中のライブハウスや音楽スタジオにスタンダードとして導入され、電子ドラムに関しては同社の「V‐Drumsシリーズ」が代名詞的存在になっているなど、世界中の音楽シーンを支えている。
売り上げの約9割が国外 コロナ禍でも堅調に成長
ローランドは海外売上高比率が高く、22年12月期は全体の89.8%が海外市場によるものだった。そのうち北米市場が36.4%、欧州市場が27.6%を占める。コロナ禍で全世界的に景気が低迷する中でも、同社は売り上げを成長させている。巣ごもり需要とともに、楽器産業、特に音量の調整やヘッドフォンの使用ができる電子楽器においては家庭でも安心して音を出せる点が追い風になった。
特に北米は強い楽器需要があると同社が分析している市場であり、21年と22年の12月期比較では売り上げが36.6%も増加した。その他、新興国市場(日本、北米、欧州、中国以外)では電子ドラムや電子ピアノが好調で40.8%増の伸びを見せている。
一方で楽器は、誰もが日常的に購入するものではない。ローランドの推計では、現段階で楽器を演奏しているなどの「アクティブ層」を消費者人口の約10%としている。他方、未経験ながら楽器に関心があったり、かつては演奏していたが離脱したりしている「楽器関心層」を約70%と見込んでおり、今後の売上成長に向けては後者にどのように訴求していくのかが大きな課題だ。この課題を解決するのが、同社が「ゲームチェンジャー製品」と表現している製品群である。
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