和太鼓や管楽器を電子化!? 創業51年目のローランドが挑む音楽市場のゲームチェンジ:ピコ太郎ブームの裏にローランドあり?(2/4 ページ)
2022年に創業50年を迎えたローランドでは、音楽や楽器の「ゲームチェンジ」を掲げ、その一環としてさまざまな楽器を開発している。果たしてどんな楽器として仕上がっているのか?
ローランドでは、「音楽表現の幅が広がる」「家庭でも演奏できる」などといった付加価値を加えることで新たな市場を創造できる電子楽器を中心とした製品群をゲームチェンジャー製品と表現している。住宅密集地や夜間といった環境を考慮すると、家庭で楽器を演奏できる人はかなり限られている。それが電子楽器に置き換われば、演奏できる人が増えるため、潜在的な購買層が広がる、といった考え方だ。
アクティブ層はもちろん、楽器関心層にも食い込んだゲームチェンジャー製品の一つとして、同社のギター関連商品を中心に取り扱うブランド「BOSS」が展開するワイヤレスヘッドフォンギターアンプの「WAZA‐AIR」(21年)が挙げられる。本格的なギターサウンドを楽しめるアンプをヘッドフォン型の筐体に詰め込んだことで、家庭内で一定の場所を取ってしまうギターアンプや、床を這って邪魔になってしまうケーブルが不要となり、特に「家族と一緒に住んでいて、かつてエレキギターをたしなんでいた人々」が再びギターを弾き直すきっかけにつながっている。
その他、電子管楽器の「エアロフォン」シリーズもゲームチェンジャー製品に位置する。演奏方法が従来の管楽器とほぼ同じでありながら、移調や音量調節、音色変更などができる電子管楽器の普及は、管楽器プレイヤーの音楽表現の幅を大きく広げた。同シリーズは電子管楽器の中でもよりアコースティックサックスに近い操作性を意識しており、スマホアプリとの連携でオリジナル音色のエディットなどを可能にした。
伝統芸能の活性化にも寄与
アコースティック楽器を電子化する考え方は、伝統芸能の活性化に寄与する可能性も秘めている。それを体現するのが、21年に発売した電子和太鼓「TAIKO‐1」だ。
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