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「CX-60」好調のマツダ EV時代にエンジン車へこだわるのはなぜか鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(3/4 ページ)

22年秋に発表された「CX-60」や、売れ行き好調な「ロードスター」を擁するマツダ。過去に何度も絶体絶命の状況に陥った同社の“七転び八起き”な歩みを振り返る。

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国内販売100万台達成に向けた新体制

 しかし、そんなマツダを、世界的な石油危機、いわゆるオイルショックが襲います。ロータリーエンジンは、米国で「ガス・ガズラー(ガソリンをカブ飲みするクルマ)」というレッテルを張られてしまいました。

 このイメージダウンにより、米国と日本におけるロータリーエンジン車の販売が激減。一時は3200億円を超える借金が膨れ上がったのです。メインバンクの住友銀行の支援を受ける傍ら、売れ残ったマツダ車の販売を手伝うため、社員を日本各地の販売店へ、2年間派遣しました。

 その後、ロータリーエンジンの燃費性能を向上させる「フェニックス計画」を実施。70年代後半から80年代にかけて、信用と販売を回復してゆきます。日本がバブル時代へと突入する中、87年の時点でマツダは、販売台数約150万台、そのうち国内販売約36万台という規模にまで成長していました。ところが、国内3位を争っていたライバルのホンダは、さらに大きく成長しています。

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フェニックス計画から生まれた初代RX-7(公式Webサイトより引用)

 そこでマツダは、大きな目標を打ちたてました。国内販売100万台、それを実現させるための販売5チャネル体制の構築です。5チャネルとは「マツダ」「アンフィニ」「オートラマ」「オートザム」「ユーノス」で、チャネルごとに別々のクルマを販売します。初代ロードスターが、「ユーノス・ロードスター」と呼ばれるのは、このユーノスの専売モデルとして用意されていたからです。

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ユーノスチャネルの店舗外観(公式Webサイトより引用)
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ユーノス・ロードスター(公式Webサイトより引用)

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