「吉野家」の看板メニュー「牛丼」誕生秘話 120年の歴史で具材も変化:「すき焼き」と同じ源流?(1/2 ページ)
国内で約1200店舗を展開する外食チェーン「吉野家」の代表的メニュー「牛丼」。誕生の経緯を広報に聞いた。
連載:仕事に役立つ企業トリビア
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国内で約1200店舗を展開する外食チェーン「吉野家」。親会社の吉野家ホールディングスはセルフうどんチェーン「はなまるうどん」も傘下としており、近年はうどんのイメージもあるが、それでも一般的には「吉野家=牛丼」のイメージが強いのではないか。そんな「牛丼」は明治期の文明開化の流れの中で誕生したという。吉野家の看板メニューでもある牛丼誕生の経緯を広報に聞いた。
東京・日本橋で創業 「牛めし」がヒントに
吉野家は1899年、松田栄吉氏が東京・日本橋で創業した。当時、日本橋には国内最大の魚河岸があり、全国各地から集まった魚介類が荷揚げされていた他、周辺には料理屋や屋台が並び、賑わっていた。
同社によると「この魚河岸は、徳川家が江戸幕府を開いた際、摂津国(現在の大阪府)から漁師を呼び寄せて作ったのが始まりで、その名残で店を構える者には大阪商人が多くいた」という。創業者の松田栄吉氏も、そうした同郷の商人と同様に上京していた。
店を開く上で、松田氏が注目したのが、当時流行っていた「牛めし」だったという。江戸時代まで日本では牛肉を食べる習慣がなかったが、明治政府が「文明開花」の象徴として牛肉食を推進。実際に食べた人々の中でその美味しさが評判になっていた。
中でも、「すき焼き」の元祖とされる「牛鍋」は日本人の口に合い、東京では牛鍋屋が急増。その流れに乗り、牛肉の切れ端のバラ肉や汁を白米にぶっかけた安価な「牛めし」を売る大衆食堂が出てきていた。なお、農林水産省の公式Webサイトの情報によれば、日本初の牛鍋屋は横浜の居酒屋「伊勢熊」で、当時はしょうゆと味噌を合わせたタレを使っていたという。
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