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正念場迎える「楽天モバイル」 財務戦略に潜む苦難の実情過去最大3700億円の赤字(1/5 ページ)

2022年度決算で、楽天グループ(以下楽天)は最終損益で4期連続かつ過去最大となる3728億円の赤字を計上。財務状況を分析した。

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 2022年度決算で、楽天グループ(以下楽天)は最終損益で4期連続かつ過去最大となる3728億円の赤字を計上しました。しかし、気になったのはその赤字の大きさよりもいつになく弱気な三木谷浩史社長の言動でした。

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楽天のオフィス(出典:同社公式Webサイト)

 特に「グロスの有利子負債を増やす予定はない」という発言には、まだまだモバイル事業で多額の投資が見込まれる中で、格付の低下がボディブロー的に効いている印象を強くさせられました。

 現在、楽天銀行、楽天証券の株式公開を見込んでいますが、ここにきてまた米国発の金融不安で株式市場は不透明さを増しており、「カネの切れ目が野望の切れ目」になりそうなムードも漂っているのです。

“銭喰い虫”状態の「楽天モバイル」

 4期連続赤字決算最大の原因は、モバイル事業の巨額赤字に他なりません。祖業であるECビジネスや金融ビジネスは順調に利益を上げていながら、三木谷氏の肝いりで新規参入したモバイル事業がどうにもこうにも“銭喰い虫”状態であり続けているのです。

 その銭喰い虫の正体は、巨額の基地局整備費用です。ドコモ、KDDI、ソフトバンクに続く「第4の携帯電話キャリア」として国の許諾を受けゼロから立ち上げた事業であり、日本全国津々浦々まで通信を行き届かせるためには、気の遠くなるような基地局設置が必要であり、そこに巨額の資金を投じているがために有利子負債が1兆7600億円にも積み上ってしまったのです。

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虫に食われた葉(提供:ゲッティイメージズ)

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