“ヌートバー効果”! 東京・かっぱ橋で「ペッパーミル」爆売れ 「4年前の在庫がやっと売れた」:一部商品は売り切れ(1/2 ページ)
侍ジャパンに、日系人として初めて代表入りしたヌートバー外野手が行う“ペッパーミルパフォーマンス”が注目を集めている。その効果は実物の「ペッパーミル」の売り上げにまで波及。意外な特需に沸く、都内の専門店を取材した。
野球の世界一決定戦「ワールドベースボールクラシック」(WBC)で5大会連続の準決勝進出を果たした“侍ジャパン”こと日本代表。戦いぶりに加え、日系人として初めて代表入りしたラーズ・ヌートバー外野手(セントルイス・カージナルス所属)が行う“ペッパーミルパフォーマンス”が注目を集めている。チームの快進撃とともにペッパーミルパフォーマンスはチーム内に広がり、その効果は実物の「ペッパーミル」の売り上げにまで及んでいる。“ヌートバー効果”で売り上げ15%増になるなど意外な特需に沸く、都内のキッチン用品専門店を取材した。
ヌートバー効果 ペッパーミルの売り上げ15%増
記者が訪れたのは、包丁や食器など調理器具の専門店が集まる東京・浅草の商店街「かっぱ橋道具街」(東京都台東区)。商店街の公式Webサイトは、浅草と上野の中間に位置する南北約800メートルの通りで、約170店が営業していると説明している。
かっぱ橋道具街で、輸入品のキッチン用品1万点以上を扱うなど有数の商品数を誇る「キッチンワールドTDI」(東京都台東区)によると、ヌートバー選手のパフォーマンスの影響で、WBC開幕前と比較して、ペッパーミルの売り上げが約15%増加したという。
同店では、ヌートバー選手のパフォーマンスを知った若手スタッフの発案で、WBC開幕に合わせて、ペッパーミルの専門コーナーを設置。プライベートブランドの商品を中心に約15品を集め、「侍ジャパン応援フェア」として始めたところ、作戦が見事的中した。
売れ筋は高さ10〜15センチほどの小型サイズで、価格帯では2000〜3000円程度の商品。3月19日時点で、売れ筋商品はほぼ完売し、塩用の「ソルトミル」が残っている状況だという。
調理用→応援グッズに 用途に変化
ペッパーミルはコショウの種を挽き、粉末状にする調理器具。だが、“ヌートバー効果”で同店での購入用途に変化が生じた。WBC開幕前は20〜40代半ばの男女が料理用に購入するケースや、調味料とのセットで結婚式のギフト品としてプレゼントするケースが大半だった。コロナ禍で自宅で調理する機会が増えたことで、1人暮らしの男性が購入するケースも増えていたという。
ところが、WBC開幕後は購入者の年齢層には大きな変化はないものの、応援グッズとして購入するケースが増えた。侍ジャパンのユニホーム姿で来店し、購入後に試合会場の東京ドームに向かうケースや、スポーツバーのスタッフが来店者向けのパフォーマンス用途で購入したケースも。ともに応援グッズとしての用途で、小型サイズの商品だけでなく、価格1万8000円の高さ60センチの大型サイズの商品も売れたという。
意外な形での特需に、同店の藤崎義人店長は「4年前に入荷し、なかなか売れず、在庫として残っていた商品が売れるなど、店としてはいい思いができた」と話す。「ペッパーミルでサラダやパスタ、ハンバーグ、カルパッチョにかけるだけで雰囲気が大きく変わる。購入を機に、応援グッズとしてだけでなく、調理器具としても使い、コショウの生きた香りを感じてほしい」と商品の魅力をアピールした。
他の店でも販売好調
テレビ東京の経済番組『カンブリア宮殿』などへの出演歴がある、料理道具専門店「飯田屋」(東京都台東区)でも、同様に特需があるようだ。店舗スタッフによると、これまで主婦や学生が主な購入層だったが、WBC開幕後は「侍ジャパンの応援のために買いに来た」などとして、2000円台で販売する国産の小型商品の売れ行きが好調だという。
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