異次元ヒットで世界14位 YOASOBIの「アイドル」は日本の音楽業界の新しい扉を開くか(2/3 ページ)
アニメ『推しの子』の主題歌に起用された、YOASOBIの新曲『アイドル』が、異次元のスタートダッシュに成功している。ビルボードジャパンの総合ランキングで初登場で総合首位、2週目も2位に2倍以上の大差で2週連続総合首位となった。
アニメと連動した緻密なプロモーション展開
今回のテレビアニメ『推しの子』と、主題歌である「アイドル」は、公開前から公開後までの展開が、実に綿密に組み立てられています。
ザッと主な日程を並べると下記の通りです。
- 2月19日 YOASOBIが「推しの子」の楽曲を担当することが発表
- 3月17日 「推しの子」の第1話が映画館で先行上映開始
- 4月5日 「アイドル」4月12日配信リリースの予告CMがYouTubeに公開
- 4月12日0時 YOASOBIの「アイドル」配信開始
- 4月12日23時 「推しの子」第1話放映
- 4月24日 YOASOBIがTikTok LIVEを実施
特に今回の『アイドル』ならではの活動として取り上げたいのが、3月17日からの先行上映と、4月24日のTikTok Liveです。
第1話を映画として先行上映
元々、テレビアニメ『推しの子』は、週刊ヤングジャンプで連載されている原作マンガが「次にくるマンガ大賞 2021」で1位を獲得するなど、さまざまなマンガ大賞で受賞をしている人気作品。ある意味、テレビアニメとしての成功も保証されている作品だったと言えるでしょう。
ただ、テレビアニメ放映に際し、KADOKAWAと集英社を中心とする製作委員会は、単純にテレビアニメ枠で放映を開始するのではなく、第1話を90分の拡大スペシャルとして制作。なんとテレビ放映に先駆けて、3月17日から映画館にて先行上映すると発表したのです。
そのため、実はテレビアニメ放映日の4月12日より前に、映画館で先行上映を視聴したファンはYOASOBIの『アイドル』をフルで耳にすることになります。その結果、YOASOBIの『アイドル』の楽曲についての評判が、楽曲配信前からツイッターなどに多数投稿される結果となっているのです。
音楽のチャート事情に詳しいブログ「イマオト」によると、「アイドル」は4月12日配信開始にもかかわらずSpotifyの4月11日のチャートの80位にランクインするという珍しい現象が発生したそうです。
(参考記事:YOASOBI「アイドル」がビルボードジャパンで上位初登場の可能性、サブスク等の動向や施策が興味深い)
これは、Spotifyの日付の区切りが午前0時ではなく、午前2時前後になっているとみられる関係だそうで、『アイドル』公開直後の1〜2時間の視聴数が非常に多かったために前日の80位にランクインするという結果になったようです。
恐らくは、映画館での先行上映で『アイドル』を聞いて、楽曲の本配信を待ち望んでいたファンが多くいたことが影響していると考えられるわけです。
間髪入れずにTikTok Liveを実施
さらに、今後重要になってくると考えられるのは「アイドル」の公開後、YOASOBIが4月24日に実施したTikTok Liveでしょう。
ライブの詳細は、YOASOBIの公式noteにレポートが掲載されていますが、同時視聴12万人超え、累計配信視聴も63万人となり、日本人アーティストによるライブパフォーマンスのTikTok LIVEでの最高記録となったそうです。
(参考記事:原点から踏み出す、YOASOBIの新たな一歩 | YOASOBI TikTok LIVE at THEATER MILANO-Za)
その大きく注目されたライブの最後に、YOASOBIは「アイドル」の歌唱を披露し、大きな話題となっているのです。
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