11季ぶりリーグ優勝逃し、株価3割超下落 独サッカー「ドルトムント」運営元:天国から地獄に
ドイツのプロサッカーリーグ1部ブンデスリーガの「ドルトムント」運営元の株価が急落している。リーグ最終節で、前節まで首位だった同クラブは2位に終わり、2011-12シーズン以来11季ぶりの優勝を逃していた。
ドイツのプロサッカーリーグ1部ブンデスリーガの「ドルトムント」運営元の株価が急落している。5月27日(現地時間)に行われたリーグ最終節で、前節まで首位だった同クラブは2位に終わり、2011-12シーズン以来11季ぶりの優勝を逃していた。米ブルームバーグの報道によると、2000年の株式上場以来、下落幅は最大だといい、クラブ経営にも影響を及ぼしている。
優勝の可能性で株価3割上昇
同クラブは「Borussia Dortmund GmbH & Co.KGaA」という企業が運営している。クラブがリーグ最終節を前に首位に立ち、11季ぶり優勝の可能性が出たことで、同社の株価は急上昇。5月19日の終値は1株4.48ユーロだったが、週末のリーグ戦の結果を受けた週明けの株価は5月23日に同5.76ユーロ、最終節前日の同月26日には同5.88ユーロとなっていた。1週間で株価が約31%上昇したことになる。
最終節前、優勝争いしていた2位バイエルン・ミュンヘンとの勝ち点差は「2」。ドルトムントはホーム最終戦で勝利すれば、元日本代表の香川真司選手らが在籍したシーズン以来、11季ぶりの優勝が決まっていた。
ライバルチームが逆転でリーグ11連覇
全会場が同時刻キックオフとなった最終節、ドルトムントは前半で2点のリードを許す苦しい展開。一方のバイエルン・ミュンヘンは1点を先制するも、後半36分に相手チームに同点ゴールを許した。
このため、ドルトムントは敗れても優勝が決まる状況だったが、バイエルン・ミュンヘンが試合終了間際の後半44分に勝ち越しゴールを決め、試合はそのまま終了。ドルトムントも後半に2ゴールを決め、同点に追いついたものの、得失点差でバイエルン・ミュンヘンが上回り、劇的な形でリーグ11連覇を決めた。
リーグ優勝を逃した週明けのドルトムント運営元の5月29日の株価は、取引開始直後から売り注文が殺到し、急落。一時1株4.08ユーロにまで落ち込んだ。ブルームバーグは最大で株価が32%下落したと報じている。
同クラブは独西部の工業地帯「ルール地方」の代表的都市ドルトムントに本拠地を構え、バイエルン・ミュンヘンと並び、国内では屈指の人気を誇る。集客面も欧州屈指のレベルで、ホーム試合の平均観客数は8万人とされている。1996-97シーズンには欧州制覇も果たし、名実ともに名門クラブとして知られる。
欧州ではサッカークラブの運営元が株式上場を果たしているケースは複数あり、有名クラブでは英プレミアリーグのマンチェスターユナイテッド、伊セリエAのユベントス、ラツィオ、ASローマなどが各市場に株式上場している。
リーグ最終節の結果は選手たちだけでなく、投資家や株主にとっても悔しさが残るものといえそうだ。
関連記事
- ソニーの「着るエアコン」“バカ売れ” 猛暑追い風に「想定以上で推移」
連日の猛暑が続く中、ソニーグループ(ソニーG)が4月に発売した、充電式の冷温デバイス「REON POCKET 3」(レオンポケット3)の売れ行きが好調だ。同製品は「着るエアコン」とも呼ばれており、ビジネスパーソンを中心に売り上げを伸ばしている。 - ファミマの「生コッペパン」1000万食突破 ヒットの要因は“古臭さ”払拭にあり
ファミリーマートが手掛ける「生コッペパン」シリーズの販売が好調だ。同社によると、2月末の発売から20日間で1000万食を突破。なぜ、生コッペパンシリーズを商品化したのか。経緯とヒットの理由を同社広報に聞いた。 - 「スシロー」はなぜ、“食器舐め”本人の謝罪を拒否したのか 広報に聞いた
回転寿司チェーン「スシロー」の店内で、客が卓上の醤油ボトルや湯呑みを舌でなめる動画をSNSに投稿し、物議を呼んでいる。被害を受けたスシローの運営元あきんどスシローは迷惑行為に「刑事、民事の両面から厳正に対処する」との声明を発表。厳格な姿勢を示し、ネット上で賞賛を浴びている。スシローはなぜ厳しい姿勢を貫くのか。理由を広報に聞いた。 - 「楽天モバイル」はなぜ苦戦しているのか 背景に4つの誤算
2022年12月期決算で、過去最大の3728億円の赤字を計上した楽天グループ。その要因はモバイル事業「楽天モバイル」だ。なぜ苦戦を強いられているのか。筆者が考える三木谷構想4つの誤算をひも解く。 - 「工場の製造が追い付かない」──ファミマの「クリームパン」、4週間で650万個販売 好調の理由を広報に聞いた
ファミリーマートが発売した「ファミマ・ザ・クリームパン」の売れ行きが絶好調だ。販売開始から8日で、クリームパン単体で220万個を売り上げた。1秒に3個売れている計算で、工場の生産が追い付かず、品薄になっているとして、一部の店舗では“お詫び”の掲示物をするほどだ。なぜここまで売れているのか。好調の要因を同社広報に聞いた。 - 「生クリーム好き歓喜」──セブンイレブンの“具なし”「ホイップだけサンド」に反響 商品化の狙いは? 広報に聞いた
セブン-イレブン・ジャパンが10月12日から近畿エリアなど地域限定で販売を始めた「ホイップだけサンド」シリーズがTwitterで話題となっている。商品名の通り、ホイップクリームのみを挟んだ“具なしサンドイッチ”となっている。商品化の経緯を聞いた。 - 正念場迎える「楽天モバイル」 財務戦略に潜む苦難の実情
2022年度決算で、楽天グループ(以下楽天)は最終損益で4期連続かつ過去最大となる3728億円の赤字を計上。財務状況を分析した。 - YOASOBI新曲『アイドル』、『推しの子』主題歌で大ヒット 『ゲッターロボ』主題歌とのMAD動画も話題
アニメ『推しの子』の主題歌に起用された、音楽ユニットYOASOBIの新曲『アイドル』のPV動画再生数が急激に伸びている。公式YouTubeチャンネルに4月13日に公開したPVは、約1ヶ月で8600万再生を記録。累計1億回突破も射程圏内だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.