「空」でも「地上」でも履ける JAL系航空会社が「1足2万円」のスニーカーを発売したワケ:なぜ? 「空の会社」が、足元のアイテム(1/3 ページ)
JAL系航空会社のZIPAIRが4月、ファッションデザイナーと共同開発した1足2万円のスニーカーを発売した。「空の会社」なのになぜ、靴なのか。そして、どんな靴なのか。
日本航空の子会社であるZIPAIR Tokyo(千葉県成田市、以下「ZIPAIR」)が、4月に公式オンラインショップでスニーカーを発売した。世界的なファッションデザイナーである堀内太郎氏がデザインを手掛け、スロバキア発の靴ブランド「NOVESTA」とコラボしたスニーカーで、価格は1足2万2000円。発売以降、成田空港を拠点にする同社とは縁が薄い関西のユーザーからも購入されるなど、好評を博しているという。いったいどういう経緯で「空の会社」であるZIPAIRがスニーカーを発売するに至ったのか。
利用者の7割が40代以下 価格にこだわる
ZIPAIRは2018年に設立。コロナ禍の真っ只中である20年に営業を開始し、運航している航空会社としては23年5月時点で最も新しい。同社の熱田雄大氏(企画部 主任)は「昨今はお客さまの価値観やニーズが多様化しており、ZIPAIRでは、『新しい航空会社』を標ぼうし、既存の航空会社とは異なる層をターゲットにしています」と話す。メインターゲットは若年層で、利用者の約7割を40代以下が占めている。
中でも注力しているのは、海外旅行を身近にすること。若年層にとって、昨今の燃料費高騰などで、海外旅行は垣根が高いものとなっている。「重要なのは、やはり価格です。価格は繁忙期などにも左右されますが、影響が大きいものとして、やはり燃料費が挙げられます」と熱田氏。同社では、1便当たりの席数を増やしたり、座席のモニターを排し、無料の機内Wi-Fiに置き換えたりすることで、価格を抑えて若年層に訴求している。特にモニターの有無は、数百キロ単位で燃費に影響するという。
もう一つ、注力しているのが航空機の体験だけでなく、日常の体験もリッチにすること。「豊かで、新しい暮らし方・過ごし方などのライフスタイルや社会を提案するセレクトショップ」をコンセプトに、22年3月から公式オンラインショップ「ZIPAIR Online Shop」を運営している。新たに発売したスニーカーも、こちらのショップで取り扱っている。
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