インタビュー
「ChatGPT過剰規制」への危機感 OpenAI創業者が“世界行脚に奔走”したワケ:慶大生との対話を取材(1/2 ページ)
ChatGPTを開発した米OpenAIのサム・アルトマンCEOが4月から6月にかけて、“世界行脚”に奔走した。その背景には何があるのか?
ChatGPTを開発した米OpenAIのサム・アルトマンCEOが4月から6月にかけて、“世界行脚”に奔走した。6月12日には日本の慶應義塾大学で学生と意見交換をしたり、ソフトバンググループの孫正義氏と会談したりと過密なスケジュールを組んでいる。「重要な市場」と位置付ける日本で、次のビジネスへの足がかりを築く姿勢だ。
アルトマンCEOが来日するのは、2022年11月30日にChatGPTを公開して以降で見ると、23年4月以来2度目となる。同CEOの話を聞くと、短期間に2度も来日した背景には日本を重要な市場と位置付けているだけではない狙いも垣間見えた。
日本だけでなく世界中を行脚した理由には、ChatGPTに対して各国が過剰に規制を強めることへの強い危機感があるからだろう。一方で、アルトマンCEOが持つリアリストとしての顔も見えてくる。つまり開発に対する一定程度の制限を承諾しつつも、できるだけ自由な開発環境を整えたい意図だ。慶應での対話を取材してみると、こうした「揺れ動く複雑な思い」が感じられた。
世界ツアーの背景に「規制への懸念」
関連記事
- ChatGPT創業者が慶大生に明かした「ブレイクスルーの起こし方」
ChatGPT開発企業の米OpenAIのCEOが来日し、慶應義塾大学の学生達と対話した。いま世界に革命をもたらしているアルトマンCEOであっても、かつては昼まで寝て、あとはビデオゲームにいそしむ生活をしていた時期もあったという。そこから得た気付きが、ビジネスをする上での原動力にもなっていることとは? - 「生成AIで人類はよりクリエイティブになる」 ChatGPTアルトマンCEOが断言する理由
ChatGPT開発企業である米OpenAI社のサム・アルトマンCEOが6月12日、慶應義塾大学三田キャンパスで学生と対話した。一問一答で3回にわたってお届けする。今回は1回目。 - 和製ChatGPTで「戦いに参入すべき」 松尾豊東大教授が鳴らす“警鐘”とは?
経営者層がいま、最も注目しているビジネストピックが「ChatGPT」などの生成AIだろう。日本ディープラーニング協会理事長で、東大院の松尾豊教授の登壇内容をレポート。ChatGPTをはじめとする生成AIを組織内でどのように活用していくべきなのか。ビジネスで活用する上で、どんな点に注意すべきかをお伝えする。 - グーグル翻訳を超える「DeepL」トップが描くAIの未来図 「英語学習は必ずしも必要でなくなる」
「Google翻訳よりも精度が高い」といわれる機械翻訳サービス「DeepL」。企業はどのようにAIを活用していくべきなのか。エンジニア出身で博士号も持つ、DeepL社のヤロスワフ・クテロフスキーCEOに話を聞いた。 - グーグル翻訳に打ち勝つ「DeepL」の世界戦略 CEOが明かす「言語AIの将来」
「グーグル翻訳よりも品質が高い」といわれるDeepL社のヤロスワフ・クテロフスキーCEOに、DeepLのビジネスモデルを聞いた。 - ユニクロ柳井正と佐藤可士和が10年以上議論 たどり着いた「ロードサイド店の答え」
グローバルでの展開も視野に入れた「UNIQLO LOGO STORE」が誕生した背景には、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏と佐藤可士和氏が、ロードサイド店舗の課題について10年以上議論してきた経緯がある。「UNIQLO LOGO STORE」の戦略を読み解く。 - ユニクロが「消費電力40%カット」の新店舗を作った理由
前橋市にオープンしたユニクロ 前橋南インター店は新たなロードサイド店舗「UNIQLO LOGO STORE」の第1号店だ - カゴメのマーケトップに聞く “2人に1人しか飲まない”野菜ジュースの販売戦略
カゴメ執行役員の稲垣慶一マーケティング本部長に、今後の販売戦略を聞く。カゴメは野菜ジュース「野菜生活100」などを販売している。だが野菜飲料の購入経験者は、まだ2人に1人程度にとどまっている。どうすれば伸ばせるのか。 - 本田宗一郎が「すぐにやれ」と命じたこと ホンダ倉石誠司会長に聞く
本田宗一郎が、ソニーを創業した井深大に誘われて見に行き、『これこそホンダがやるべきことじゃないか。すぐにやれ』と本社に電話して設立されたのがホンダ太陽だ。本田宗一郎は技術で人を喜ばせて、技術で人の生活の可能性を広げることがホンダのやることだと言ってきた。本田技研工業の倉石誠司取締役会長に「多様性こそがホンダのDNA」だと語る真意を聞いた - ユーチューバーが儲からなくなったのは本当か? YouTubeに聞いた
「今ユーチューバーが稼げなくなっている」と言われている。その実態はどうなのか? 米グーグル傘下のYouTubeで、クリエイターエコシステム&メディアパートナーシップ統括部長を務めるイネス・チャ氏に話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.