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米コカ・コーラ「何が起こるか試したい」 生成AIで商標資産を“民主化”する真意:石角友愛とめぐる、米国リテール最前線(1/4 ページ)
米国テキサス発のあるスタートアップが注目されている。同社は「無料の水を提供する世界初の会社」をうたい、水を無料で消費者に提供し、さらに寄付まで行いながら収益を得ている。また米コカ・コーラでは、生成AI技術を使った広告制作を可能とするプラットフォームを開発した。その真意とは何か――。パロアルトインサイトCEOの石角友愛が、米国リテール業界で起きている先端事例をリポートする。
今、リテール業界で広告のあり方が変革しているのをご存知でしょうか。その変革を後押ししているのがChatGPTを始めとする生成AIです。
以前、この連載で小売店舗内の重要なスペース(=消費者が目にする場所)を活用した広告技術の紹介をしました。
この記事では、消費者との接点を強みに持つスーパーなどの小売事業者に、「冷蔵棚や冷凍棚の扉全体をデジタル広告化し、収入源にする」という驚きのイノベーションを提供した、クーラー・スクリーンというAIスタートアップについてご紹介しました。
今回はこのような小売店舗における広告イノベーションから視点を移し、小売に商品を卸すメーカー側の新しいアプローチをご紹介します。
「無料の水を配って稼ぐ」 米スタートアップの挑戦
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