ジャパネットたかたの売上を1.6倍にした2代目 長崎にスポーツスタジアムをつくる理由:総工費約800億円(1/3 ページ)
「ジャパネットたかた」で知られる通販大手ジャパネットホールディングスが「長崎スタジアムシティプロジェクト」を進行させている。髙田旭人社長に意図を聞いた。
2024年、「ジャパネットたかた」で知られる通販大手ジャパネットホールディングス(HD、長崎県佐世保市)が大きなチャレンジをする。
同グループといえば、名物社長・髙田明氏(15年に退任)のイメージが強い。だが実は15年に長男の髙田旭人氏が2代目社長に就任してからも売り上げを伸ばし続けている。特に21年は新型コロナウイルスによる巣ごもり需要も取り込み、売上高が2506億円と過去最高を記録。22年も2487億円と高い水準を維持している。
髙田旭人氏は従来の通販事業だけでなく、クルーズ船事業の「日本一周クルーズ」を立ち上げて収益を向上させるなど、受け継いだものを守るだけでなく多くの新規事業を展開。非凡な経営手腕を見せてきた。
髙田旭人氏が通販事業に並ぶ2本目の柱に位置付ける「スポーツ・地域創生事業」では、24年秋ごろに開業予定の「長崎スタジアムシティプロジェクト」が進行している。同プロジェクトでは、JR長崎駅から徒歩約10分の場所にスタジアムやアリーナ、商業施設、オフィス、ホテルなどで構成された街を作り上げる。
イベント連動型ホテル「スタジアムシティホテル長崎」内レストラン第1号には、イタリアンの名店「リストランテアルポルト NAGASAKI」、第2号に実業家・堀江貴文氏と浜田寿人氏がプロデュースする会員制和牛専門店「WAGYUMAFIA NAGASAKI」が出店する。
WAGYUMAFIAは世界各国の都心部にしか出店しないという考えを曲げての決断だという。堀江氏によれば「30年には年間4000万人の観光客が訪れる日本で、2つの世界遺産を持つ長崎は和・華・蘭の混在した歴史・文化が詰まった観光地としてインバウンドを取り込める可能性を感じた」という。
月40万円のVIPルーム、会員制飲食店など、これまでの長崎では考えられなかった高価格帯の施策がどんな反響を生み出すのか。
行政に委ねるのではなく、一企業が総工費約800億円をかけ、商業施設約60店舗、ホテル客室243室、スタジアム客席数約2万席、アリーナ客席数約6000席、オフィス面積約1万3900m2の巨大施設を自前で作る意義や狙いはどこにあるのか。髙田旭人氏に、上場していない企業だからこその強みを聞いた。
髙田旭人(たかた・あきと)株式会社ジャパネットホールディングス代表取締役社長 兼CEO。1979年長崎生まれ。東京大学卒業。大手証券会社を経て、2004年、父・髙田明氏が経営するジャパネットたかたの社長室長に着任。コールセンターや物流センターの責任者を務めた。12年から副社長。15年1月、(株)ジャパネットホールディングス代表取締役社長に就任
スポーツビジネスで遅れがちな日本
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