「営業から買う」は時代遅れ B2Bテック製品の購買ジャーニー、どう変化している?:ミレニアル世代が「メイン購入者」に(3/3 ページ)
B2B営業の購買ジャーニーが変化してきている。これまで当たり前だった「営業から買う」というスタイルはすでに時代遅れになりつつある。なぜだろうか? 購買者の変化を踏まえ、今後の営業のあり方を考えてみよう。
「デジタルネイティブ」に適した営業スタイルの構築が急務
ミレニアル世代は「デジタルネイティブ」だからこそ、情報がネットにあるという価値観が強く、ある程度何でも調べられる。この影響がB2C取引だけでなく、B2B取引にも大きな影響を与えていることがお分かりいただけただろう。
B2Bセールスのやり方も、なるべく「デジタルネイティブ」に根ざして再設計する時代が到来している。
営業が話さなくても顧客が自分で調べられる時代には、B2B取引においても「情報の透明性」、つまり営業として人が伝えていたような情報を出来る限りデジタル上に文字情報として残し、顧客に対してオープンにすることが重要となる。
提案がデジタル化されたことで、法人顧客の営業提案の視聴状況も分析可能となった。データを見る限り、ミレニアル世代は営業が想像している以上に、自分で調べている。そしてこの傾向は若い世代になるにつれ加速度を増している。昔に戻ることはない。
営業提案自体のデジタル変革を企業は真剣に検討するべきだ。顧客への情報提供を、全て営業を介して行っている組織はデジタルネイティブな時代に乗り遅れ、業績維持が難しくなってしまうだろう。
筆者プロフィール:藤島 誓也 株式openpage代表
ビズリーチにてカスタマーサクセス(CS)チームを立ち上げ後、2018年にopenpageを設立。
CSをデジタル化する「openpage」の製品提供をはじめ、CSの体制づくりのコンサルテーション、SNSでの情報発信、大型オンラインイベントの企画など、米国流のCSを国内で広く啓蒙。openpageではB2B取引の透明性(オープン性)に着目し、「セルフサーブで顧客が考えられる」デジタルセールスの体制構築を支援。営業トーク、製品機能、価格などすべてデジタルの文字情報として起こし、顧客に情報共有可能にしている。
著書に「実践カスタマーサクセスBtoBサービス企業を舞台にした体験ストーリー」(日経BP、2023年)
note::https://note.openpage.jp/
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