コラム
「USPがUSPではない問題」 マーケ戦略の落とし穴、誰にとってユニークなのか?:トライバルメディアハウスのマーケ戦略塾(2/3 ページ)
マーケターの基本である「誰に」「何を」「どのように」伝えるか、がハマっていない事象をよく目にします。なぜ起こってしまうのか? 原因は「USP」にあることが多いです。
(1)そもそも顧客のニーズがあるか怪しい(シーズ発想の製品開発に多い)
メーカーでは、「こんな新製品を開発しました! これは我が社だけが持つ独自技術によって実現した画期的な製品です」といったシーズ発想の新製品が少なくありません。いくら「独自技術」で開発したとしても、肝心の顧客ニーズが無いのなら、「独自かどうか」以前に「強み」にはなり得ません。
(2)競合もほぼ同等の価値が提供できてしまう
これも「よくある問題」です。当社のクライアントから「我が社の強みが詰まったこの製品は〜」と説明いただいた際に、私が「ちなみに、同等の機能は競合も実装可能なのですか?」「競合は同等の効能効果を出せないのですか?」と尋ねると「できますね」と返ってくることが少なくありません(というより、めちゃくちゃ多い)。
顧客のニーズを満たせるとしても、競合もできるのなら、それは「独自の(ユニークな)」強みではありません。
(3)「強み」や「新しさ」が業界や自社にとってのユニークネスになっている
「我が社独自の技術で以前よりも◯◯ができるようになりました!」「業界初の××力を発揮する〜」も注意が必要です。
技術改良による商品改善によって「当社比120%の△△力」や「業界初」を実現することは素晴らしいのですが、「顧客にとって意味のある××力や業界初」でなければ意味がありません。充足されていない顧客ニーズがあるものの、今までの技術では解決できなかったことを「我が社独自の技術」や「業界初のイノベーション」によって解消するのであれば、「顧客にとって」ユニークネスな強みですが、そうでないのならその強みは真のUSPにはなり得ないのです。
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