電気代高騰は追い風 ワークマンやドンキの進化する「着るこたつ」(2/3 ページ)
消費電力が大きいエアコンを使わず、温まることができる「着るこたつ」注目を集めている。各社が発売する着るこたつの特徴や消費者の反応、売れ行きをまとめた。
ダメ出しから生まれたドン・キホーテの着るこたつ
ドン・キホーテが昨年10月から発売している「動けるこたつウェア」。同商品はユーザーからの“ダメ出し”をもとに改良し、結果的に値下げにも成功した商品だ。
ドン・キホーテでは「ダメ出しの殿堂 ドン・キホーテ-情熱的改善要求-」と題し、ユーザーからオリジナル商品ブランド「情熱価格」へのダメ出しを募集(2月末でサービス終了予定)。集まったダメ出しを開発部で議論・改善することで、新商品に生かす取り組みを行っている。
動けるこたつウェアは、胸元から足先までをすっぽりと包み込み、内蔵されたヒーターで温める。本体は65(幅)×115(高さ)センチで、身長150〜180センチ、ウエスト最大約130センチまで対応する。着脱はボタン式で、身長に合わせて調節が可能。なで肩でもずり落ちないよう、H型のショルダーストラップを採用した。着るだけでなく、広げてひざ掛けのように使うこともできる。
ヒーターは全面/腹部側と胸元側に分けてスイッチを設置し、部位に合わせた温度調節を可能とした。温度は3段階から選べる上、2時間で自動的に電源が切れるため、温まり過ぎる心配もない。
同商品の前身は、22年にホカロンとコラボしたこたつウェアだ。サイズや着用方法など基本的な仕様は動けるこたつウェアとほぼ同じで、「エアコンを使わなくても温かく、節約になる」と人気を集めた。
だが、電源がコードタイプだったため、その範囲内でしか利用できなかった。そのため、ユーザーからは「USB式だったらよかったのに」「モバイルバッテリーで使えるようにするとあちこち移動できる」「動けないぜ」といったダメ出しが寄せられた。
そこで開発部は、電源をコードタイプからUSBタイプに変更。コードの長さ=可動範囲だったところが、家の中を自由に動けるようになった。また、コード部分をなくしたことで、結果的にコストカットが実現。こたつウェアが1万1800円だったのに対し、動けるこたつウェアは9980円と、機能性はアップしながら2000円の値下げに成功した。
関連記事
- SNSから人気拡大、ニトリ「スマホ毛布」 若者向けに開発も、意外なユーザーから支持
電気代の高騰による節約意識の高まりから、消費電力が大きいエアコンを使用しなくても温かくなれる商品が注目を集めている。こうした節電ニーズとスマホを組み合わせて生まれたのが、ニトリの「スマホ毛布」だ。 - 暖冬でも爆売れ、山善の「着る電気毛布」 数万件のレビューを分析して見えた改善点
電気代の高騰による節約意識の高まりから、節電タイプの暖房器具が注目を集めている。家電メーカーの山善が手掛ける暖房アイテム「くるみケット」もその1つだ。開発担当者の加美将希さん(同社家庭機器事業部)に話を聞いた。 - 「ゲーミング着るこたつ布団」が話題 ゲーマーの「寒くても暖房を付けられない」に着目
日本の伝統的な暖房器具である「こたつ」。最近では、従来通り机にセットして使うだけでなく、「着る」タイプも登場するなど進化を遂げている。こうした中、ゲーミング家具ブランド「Bauhutte(バウヒュッテ)」を手掛けるビーズ社の「ゲーミング着るこたつ布団」が集めている。開発秘話を同社に聞いた。 - 1枚で温かい、ドンキの「羽織る魔法瓶」 開発者が気付いた「重ね着」の盲点とは?
寒い季節には、インナーやセーター、コートなど、たくさんのアイテムを着込むのが一般的だ。しかし、ドン・キホーテは重ね着しなくても1枚で温かい“羽織る魔法瓶”のようなアイテムを開発。“当たり前”を覆そうとしている。開発の背景を聞いた。 - ニトリ、山善、無印で売れているのは? 最新の「こたつ」事情
「こたつ」の売れ行きが変わり始めているようだ。最も大きな変化は、床に座って使う「ロータイプ」から、ソファやイスに座って使う「ハイタイプ」が主流になりつつあること。最新こたつの特徴と反響を取材した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.