99.9%が「満足」も パナソニックの若手社員が「社内運動会」で見つけた課題(2/3 ページ)
パナソニックが開催した「社内運動会」が話題だ。ひと昔前のイベントというイメージがある社内運動会だが、主催・実行したのは自主的に集まった令和入社の若手社員たちだった。なぜ若手社員たちは、社内運動会を開催しようと考えたのだろうか。
なぜ社内運動会を開催したのか
パナソニックは社内カンパニー制を導入後、「組織の壁を超えたコミュニケーション」が課題となっていた。実際、同社が行ったアンケートでも、入社5年目までの社員のうち、4割以上が「組織の壁を超えた協力体制に課題がある」と回答。また、コロナ禍入社の社員の多くは、リアルでの入社式や集合研修ができなかった上、リモートワークでの業務における関係構築にも悩んでいた。
そこで同社は2022年9月、こうした課題を解決するための新組織「Make New Culture Wave(カルチャー改革チーム)」を設置。チームメンバーが社員にヒアリングを行ったところ、若手社員から「同世代間の交流を実施したい」という要望が上がってきた。
「こうした要望を受けて、当社傘下である5つの事業分社を横断した社内交流イベントを開催することを計画しました。イベントを実施することで、社員の意識改革や行動の変化を促すことが狙いでした」(同チーム チームリーダー 唐澤篤氏)。入社5年目以内で自主的に名乗りでた18人の実行委員と共同で、約半年かけて計画。スポーツアクティビティーとグループワークショップを、同日開催することにした。
唐澤氏は社内運動会において、自主性を大事にしたいと考えたという。そこで、事務局や応援団などのメンバー決めは挙手制にすること。プログラムで何かチャレンジすることが、そのままポイントとなる加点方式にすること。この2つを、運営する上での基本の考え方とした。
また、コミュニケーションを活発にするためチーム分けも工夫した。「各チームや7人のユニットは、事業部門・職種が混在した編成にしています。普段接することがない部署の人たちと、競技やワークショップに参加することでチームワークを高め、交流を深める狙いです」(唐澤氏)
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