その接客フレーズ、本当に効果ある? 購買意欲を高める「最強の売り文句」とは:令和の無駄学(2/3 ページ)
アパレル店などで体験する店員さんの声かけ。「声をかけられたくない派」が増えているように感じられますが、あえて声かけを行うことに意味はあるのか? 今回は、そんな疑問を探っていきます。
続いて「信頼性」です。
同様に著者インタビューで「○○が監修した商品です」「こちら再入荷した商品です」「ファッション誌で紹介された商品です」といったフレーズも購買意欲を高めることが分かりました。これらのフレーズには、消費者に対して商品やサービスの信頼性を強調する効果があります。
人は有名な人の意見や経験に影響を受けやすい傾向があります。特に知らない商品や初めて購入する商品に対する信頼性を高めるためには、有名人の評判や口コミが重要な役割を果たすようです。実際にその商品を使用したことがある人々の肯定的な評価は、新規顧客にとって大きな安心につながり、購買を促進する大きな要素となります。
特に「再入荷」「メディアで紹介された」といったフレーズはかなり信頼度が高まりやすいようです。再入荷された商品は、過去に売り切れた経験があり、それだけ需要があったことを示しています。つまり、多くの人々が購入し、満足している結果として再度市場に投入されたと捉えることができます。
また、メディアで掲載された商品は、トレンドを捉えており、今が買い時であることを示唆するため、より信頼感を抱きやすくなるようです。
このように、「信頼性」を強調するフレーズや情報は、消費者に安心感と信頼感を提供し、購買行動を促進するための有力なツールとなり、リピーターの増加にもつながりやすいようです。
最後は「共感性」です。
「辛いものがお好きな方でしたらこちらのお料理がおすすめです」「お仕事中の肌寒い時などに羽織れるのでこちらのカーディガンはいいですよ」「シワになりにくい素材を使っているので、アイロンが面倒くさい方にはおすすめです」といった、相手の好みやライフスタイルに合わせたフレーズが購買意欲を高めることが、著者インタビューから分かりました。
顧客の現在の気持ちや状況を理解し、相手が共感できるような言葉を投げかけることで、顧客は自分がそのアイテムを利用するシーンが具体的に想像しやすくなり、購買意欲を高めるようです。
また、共感性を示すことで、顧客にとっては単なるセールストークではなく、個々の購入者に合わせた接客だと感じてもらえるようで、店員と顧客のコミュニケーションがより円滑になるようです。
ただし、共感性を引き立てるためには、店員のコミュニケーションスキルが重要で、簡易的な声かけではなく、顧客が抱える問題やニーズを正確に把握した上で、共感性の高いアドバイスや提案をする必要があります。
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