「痛い、脱げる、蒸れる」をニットで解消 オンワード樫山の「靴」が2年で10万足を突破した理由(3/5 ページ)
オンワード樫山のニットシューズブランド「steppi(ステッピ)」が好調だ。どのようにしてヒット商品を生み出したのか。
パンプスから始まり、ラインアップを拡充
まずはパンプスから展開し、つま先の形が異なる4タイプ(ポインテッド、スクエア、バレエ/ラウンド、ローファー)を販売した。販売価格は7990円〜と安くはないが、手の届く価格でありながら購買後の満足度を高めることを意識したという。
「5000円以下に下げるのは容易なのですが、そうするとオリジナルの木型や発泡ソールをあきらめることになります。履いてみて重かったり、靴擦れができたり、底が擦り切れやすかったりすると結局コスパが悪い印象になってしまうだろうと考え、価格以上のコスパの良さを感じていただけることを目指しました」
きちんとした印象のあるパンプスは、職場や結婚式などのイベントだけでなく、プライベートの外出で履く人も少なくない。オンワード樫山が拾った顧客の声には、「子どもの学校行事の際に室内履きにしている」「会社の置き靴にしている」「旅行で履いている」などさまざまな声があり、シーンに合わせて選べるよう形や色を幅広くそろえている。
中でも一番人気は、つま先が尖った「ベーシック ポインテッド パンプス」だ。同商品をPRで押し出していることもあるが、通常、先が尖ったパンプスは足が痛くなりやすい。そうしたネガティブな印象がありながら、「足が痛くなりづらく歩きやすい」、かつ「着用シーンが広く汎用性が高い」という特性が支持されている理由だという。
当初は22.5〜25.5センチメートルのサイズ展開だったが、「サイズが合わない」という声を踏まえ、21.5から26センチメートルとサイズを増やした。
2022年3月のテスト販売から1年間はパンプスのみを展開していたが、好調な実績を受け、2年目以降にブーツ、サンダル、スニーカー(多機能ニットシューズ)、子ども用とラインアップを拡充していった。
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