「痛い、脱げる、蒸れる」をニットで解消 オンワード樫山の「靴」が2年で10万足を突破した理由(4/5 ページ)
オンワード樫山のニットシューズブランド「steppi(ステッピ)」が好調だ。どのようにしてヒット商品を生み出したのか。
医師と一緒に開発した靴もヒット
総数でいうと販売期間が長いパンプスが最も売れているが、現在はパンプスとスニーカーが同じぐらい売れ行きが良く、季節製品のサンダル(7990円〜)とブーツ(1万4990円〜)も好調だという。
スニーカーのカテゴリーで2024年に発売した「多機能ニットシューズ」(9990円)は、整形外科医師と共同開発した製品で、100人以上の医師の声を聞きながら開発したという。
「昨今、アパレルメーカーが医療現場用のスクラブ(医療用白衣の一種)を発売するケースがあり、ファッショナブルで機能性が高い白衣の選択肢が増える一方で、靴の選択肢は少ないままでした。そこで、過酷な現場で働く医療従事者へ向けたニットシューズの開発にいたりました」
病院の環境や医療従事者の働き方を踏まえ、濡れた床でも滑らないグリップ力の強いソールを採用し、手を使わずに脱ぎ履きできる靴とした。数カ所の医療学会でブースを出して宣伝したり、専門業者に商談したりする中で口コミが広まり、特に男性の医療従事者から支持を得ているという。
「特に、黒いニットに黒いソールで製作したデザインは革靴の見た目に近く、スーツと合わせやすいということで男性から好評です。病院内だけでなく出張や外出の際も持ち運びやすいなど、用途の広さからも支持を得ています。医師以外の方にも購入されています」
現在は、働く女性の声を受けてヒールのあるパンプスも開発している。さらに、来年の夏に向けてビーチサンダルの開発も予定しているそうだ。ビーチサンダルながらカジュアルすぎず、ラクに履ける商品を目指していると山本氏は話した。
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