“アマゾン頼り”の終焉? ニトリはじめ小売り大手が「自前ECサイト」 勝ち筋は(3/4 ページ)
巨大プラットフォームに頼らない新たなEC戦略。小売り大手が専門性を活かした自社マーケットプレースを構築する背景とは
マーケットプレースはさらなるEC発展のカギ
佐藤氏は、実店舗とネット販売を連携させるオムニチャネル戦略の重要性とマーケットプレースの可能性について語る。
「オムニチャネル戦略に、積極的に取り組むことで得られるのはデータだ。顧客の行動履歴を分析すれば、解像度の高い顧客理解が可能になる。またデータ分析によって、自社に求められているもの、不足しているものなど自社の課題を発見できる」
こうした「データ収集」と「顧客ニーズへの対応」の精度を高めるのがマーケットプレースだ。マーケットプレースを構築すれば、出品者が出品している商品の購買データも含め、豊富なデータを全て自社で収集できる。これこそ、自社でマーケットプレースを運営する大きなメリットだといえよう。また、運営側としては在庫リスクを軽減しつつ、品ぞろえを拡大できる点も大きい。
そして自前のマーケットプレースを成功させるポイントは、既存の巨大プラットフォーマーのように全ての商品をそろえるのではなく、“専門性”を高めることにあるという。
「既存の方向性やブランド観を軸に、出品者や商品をキュレーションすることが大事。まずは自社の顧客に求められるところを押さえる。そしてマーケットプレースの専門性を高めていき、他のマーケットプレースにはない価値をつくることがポイントになる」
こうして自社を中心に置いたECのエコシステムを築き、取り扱い商品やカテゴリーを拡大することで、集客力や販売力が強化される。
ニトリは「住まい」から「暮らし」へ領域を拡大
ニトリは今以上の事業価値を提供するため、“住まい”から“暮らし”へと領域を広げたマーケットプレースを構築することを決めた。
「顧客の訪問頻度やLTV(顧客生涯価値)向上、そしてより多くのお客にロイヤルカスタマーになってほしいという狙いがあった」と、ニトリの導入目的を説明する佐藤氏。そこには巨大プラットフォーマーへの対抗という意思はなく、暮らしというカテゴリーにフォーカスしたという。
家電やホームファッションなど、関連する出品者を集めることで、暮らしに必要なものを提供するサイトを目指し、そのカテゴリーにおいてトップを取ろうとしたのだ。
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