インタビュー
“アマゾン頼り”の終焉? ニトリはじめ小売り大手が「自前ECサイト」 勝ち筋は(2/4 ページ)
巨大プラットフォームに頼らない新たなEC戦略。小売り大手が専門性を活かした自社マーケットプレースを構築する背景とは
オンラインとオフラインの融合を意識したビジネス展開
自社のECサイトを成長させるためには、佐藤氏はまず「ECを単なるチャネルの一つとして捉えるべきではない」と指摘する。
「リアルの店舗A、店舗B、ECサイトという形で、ECをリアル店舗と並ぶチャネルの一つだと考えている企業は多くある。しかし、現代の実生活において消費者は、オンラインとオフラインの境界を意識せずに行動している。企業も、この融合を意識したビジネス展開が必要だ」
例えば欧米では、ECで購入した商品の返品をリアル店舗で受け付け、来店頻度の向上につなげるスーパーマーケットチェーンや、自社ECのトップ出品者にリアル店舗での商品展示権を与える企業などが現れている。リアル店舗とオンラインがシームレスにつながっているのだ。
日本企業も近年、実店舗とネット販売を連携させ、顧客により便利な買い物体験を提供しようとしているものの苦戦しているという。この原因について佐藤氏は「オンラインとオフラインの両方を経て商品が購入された場合、どちらの売り上げになるのか。この問題をクリアできないため、先に進めない企業が日本には多くある」と話す。
欧米も同様の悩みを抱えているというが、日本企業との違いは「試行錯誤を重ねて改善を続けている点」だという。そのうえで「日本企業も議論だけで終わらせず、まずは行動し経験を積むことが重要だ」と強調した。
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