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NHK、34年ぶり赤字の原因はどこにある? ネトフリと比べて分かる“いびつ”な構造(2/6 ページ)

NHKが34年ぶりに赤字になったとして話題になった。赤字の原因を見ていくと、いびつな構造が明らかになる。

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136億円赤字のワケ

 決算資料によると、NHKの売り上げに相当する事業収入は「その他の収入」203億円を合わせて6531億円であるのに対し、事業支出は6668億円だった。

 その結果、利益に相当する「事業収支差金」は136億円の赤字となり、前期比で399億円マイナスとなった。赤字額は、NHKが繰り越してきた資金を取り崩すことで補填(ほてん)するという。

 受信料もまた、前期比で396億円のマイナスとなっている点に注目したい。一方で事業支出は34億円の減少にとどまる。つまり、受信料収入が減少したにもかかわらず、コストがほとんど据え置きとなっていたことが赤字の主要因であるといえる。


出所:日本放送協会 2023年度決算概要

 なかでも、給与と退職手当・厚生費の項目が高額である点に注意したい。NHKの給与総額をみると、2024年3月期で1100億円となっている。これに加えて、退職手当・厚生費が年間443億円程度かかっている。

 人件費や退職金、年金などを合計すると年間約1500億円に達し、実に売り上げの4分の1近くが充てられていることになる。

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