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「出世するなら必ず管理職」からの脱却は、何を生む? 三井住友銀行「年功序列の廃止」の真意【後編】(3/5 ページ)

三井住友銀行が2026年1月をめどに、人事制度を抜本的に変更する方針を示した。その中でも「年功序列の廃止」が注目されている。新制度を受け止めることになる社員とのコミュニケーションはどのように計画しているのか。また、制度が変わることによって社員のキャリアプランにどのような影響があるのか。その詳細に迫る。

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「必ず管理職をしないといけない」からの脱却

河合: 新しい評価制度で女性活躍や多様性の部分は触れていなかったと思うのですが、何か変わるものはありますか。

北山: 女性だけに特別光を当ててはいませんが、これまではやはりキャリアアップを図っていると「必ず管理職を通らないといけませんよ」という見せ方になっていましたので、そこは大きく変えるつもりです。

 いわゆる管理職を目指すキャリアパスと、プレーヤーとして特定の領域でやっていくキャリアパス。これまで管理職からプレーヤーに戻ると、もう(出世から)遅れていってしまう。そういうキャリアパスになっていたところは、あくまで選択のスイッチの違いだけという見せ方をします。

 転勤も同様です。女性だけじゃなくて、いわゆる育児など仕事以外のオペレーションを担っている社員は男性にも多いんです。これまでは全国転勤を前提とする職種が総合職で、そうしないリテールコースに処遇差をつけていましたが、この部分は変えます。

 転勤も先ほどのマネジメントを希望するかプレーヤーを希望するかを選択できるようにして、処遇差もつけないようにします。転勤した人に対しては大きなインセンティブをつけるような、設計に変えようと思っています。

 「ワークライフバランス」という言葉が好きじゃない人が、私も含めてうちの会社には結構多くて。「ワークライフインテグレーション」(仕事とプライベートが相乗する)という考え方を最近みかけるようになりました。当社も「選択肢を与えています」と言いながら、「それは選びづらい」「チョイスはできるけど、自分のキャリアはロスしてしまう」となっていた部分をなくすように、制度と運用もセットでやっていかないと、と考えています。

 結局、どんな制度を作っても、運用が変わらないんじゃないかと言われたら元も子もないので、制度と運用はセットにしていくというところはかなり意識しています。

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