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なぜイーロン・マスクはトランプに「近づいた」のか 背後にある“ビジネスの賢さ”世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)

米国大統領選挙で再選したトランプ氏を支援する実業家のイーロン・マスク氏。次期政権にも深く関わる狙いは、ビジネスで恩恵を受けることにあるようだ。ビジネスマンでもあるトランプ氏の懐に入り込んだ手法は、ビジネスパーソンにとってヒントになる。

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2人の蜜月は日本にとって有利に?

 もちろん世界で最もお金のかかる米大統領選で多額の支援を行ったマスク氏にトランプ氏がなびくのは分かる。ただ現在見ている限りでは、マスク氏とはそれ以上の「蜜月関係」がうかがえる。

 この関係は、日本にとって有利に働く可能性がある。

 外務省の関係者に話を聞くと、日本政府は現在、トランプ氏とどのように関係を築いていくか頭を悩ませている。というのも、トランプ氏は安倍晋三元首相と非常に親しい関係だったが、安倍元首相は暗殺されてしまった。


2024年の米国大統領選挙でトランプ氏を宣伝する看板(画像提供:ゲッティイメージズ)

 そこで筆者は、トランプ政権下の日米関係で、日本の首相がトランプ氏と親しくなるために、まずマスク氏と関係性を構築し、そこからトランプ氏に接近する方法を取ることをお勧めする。なぜなら、マスク氏はかなり親日であり、日本のアニメやゲームなども大好きだ。

 さらにラーメン好きでもある。石破茂首相はラーメン議連の会長なので、そういうところから接近する。とにかく予測不能なトランプ氏相手だけに、変化球で付き合ったほうがうまくいくかもしれない。

 少し話が逸れたが、とにかくマスク氏はトランプ政権にも深く関与して、これからもビジネスマンとしてさらなる飛躍を遂げることだろう。気が付けば、米国の大統領であるトランプ氏を超えるような影響力を手にする日も来るかもしれない。ますますマスク氏の一挙手一投足から目が離せない。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)、『死体格差 異状死17万人の衝撃』(新潮社)、『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)がある。

Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル


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