社会人の勉強は「仕事中」にやれ――堂々とそう言えるワケ(1/5 ページ)
社会人が勉強する上で、私が最も重要だと思っていることがある。それは、十分な勉強時間を確保することだ。おそらく、多くの人は反論するだろう。「大学受験や資格勉強でもないのにそんなに時間が必要か?」と。
この記事は、横山信弘氏の著書『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』(翔泳社、2024年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
社会人が勉強する上で、私が最も重要だと思っていることがある。
それは、十分な勉強時間を確保することだ。おそらく、多くの人は反論するだろう。「大学受験や資格勉強でもないのにそんなに時間が必要か?」と。
確かに週に20時間、30時間も勉強する必要はない。しかし、毎日数分、週に1時間程度の勉強では「ゼロ勉強社会人」を卒業したとはいえない。それでは、どれぐらいの勉強時間を確保すべきなのだろうか?
著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)
企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。
社会人に「勉強時間」はどれくらい必要なのか?
その問いに答えるため、人材教育にまつわる有名な「ロミンガーの法則」を用いて考えてみたい。「ロミンガーの法則」とは、仕事における人の成長に関する影響をまとめたもので「70:20:10の法則」とも呼ばれている。3つの割合がある通り、人の成長に大きな影響をもたらすのは以下の3種類であり、それぞれ、
- 業務体験:70%
- 他者からの薫陶:20%
- 研修/読書:10%
とされている。
そこで年間の労働時間を一人当たり2000時間として計算してみる(1日8時間×月21日間労働×12カ月=2016時間)。これを「70:20:10の法則」で分解してみると、
- 業務体験→1400時間
- 他者からの薫陶→400時間
- 研修/読書→200時間
となる。ここで気になるのが200時間の「研修/読書」だ。この200時間は、自ら特別に意識して確保すべき勉強時間のことであり、この時間を月平均にすると、毎月16〜17時間を研修や読書といった新しいことへの学びの時間として作らなければならないという計算となる。
これを1日に換算すると、おおよそ「毎日1時間」となる。
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