コラム
社会人の勉強は「仕事中」にやれ――堂々とそう言えるワケ(4/5 ページ)
社会人が勉強する上で、私が最も重要だと思っていることがある。それは、十分な勉強時間を確保することだ。おそらく、多くの人は反論するだろう。「大学受験や資格勉強でもないのにそんなに時間が必要か?」と。
「ポータブルスキル」に焦点を当てろ
「仕事中勉強法」の2つ目のポイントは「ポータブルスキルに焦点を合わせる」ことだ。
「ポータブルスキル」とは、一般社団法人人材サービス産業協議会(JHR)が開発した「業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキル」のこと。これはビジネスパーソンにとって極めて重要な概念だ。
ポータブルスキルについて、詳しくは厚生労働省のWebサイトで確認できる。
大別すると、「仕事のし方」と「人との関わり方」の2つのスキルに分けられ、その中の各要素は下記の通りとなっている。
ポータブルスキルを2つのスキルに分類すると
【仕事のし方】
- 現状の把握
- 課題の設定方法
- 計画の立て方
- 実際の課題遂行
- 状況への対応
【人との関わり方】
- 社内対応
- 社外対応
- 部下マネジメント
20年近くコンサルタントをしてきた経験からして、このまとめ方は素晴らしいと思う。とても重要な要素が抜き出されていて、これらのスキル向上が自分自身の市場価値(マーケットバリュー)を高めることになるに違いない。
ただし、表現が分かりづらいとも思う。抽象的すぎて何をどうしたらこれらのスキルが身に付くのかがイメージができない。従って本書の中では以下のように表現を変えたい。
「コンセプチュアルスキル」と「ヒューマンスキル」
- 「仕事のし方」=コンセプチュアルスキル(定義:複雑な事象を概念化して本質を把握するスキル)
- 「人との関わり方」=ヒューマンスキル(定義:交渉や調整の際に円滑なコミュニケーションをとれる対人スキル)
このように「コンセプチュアルスキル」と「ヒューマンスキル」と名称を改め定義することで、何をどう勉強したらいいのか具体的なイメージを持てるだろう。この2つのスキルに着目する最大のメリットは、将来の仕事だけでなく、目の前の仕事にも役立つということだ。
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