社会人の勉強は「仕事中」にやれ――堂々とそう言えるワケ(5/5 ページ)
社会人が勉強する上で、私が最も重要だと思っていることがある。それは、十分な勉強時間を確保することだ。おそらく、多くの人は反論するだろう。「大学受験や資格勉強でもないのにそんなに時間が必要か?」と。
社内制度を活用しないのはもったいない!
「仕事中勉強法」3つ目のポイントは、「徹底して社内制度を活用すること」だ。
実務で役立つ研修などは誰でも受講する。なぜなら、その知識や技能を習得しないと自分に与えられた業務を遂行することができないからだ。これらは「マスト(Must)」の勉強といえる。
経理担当は簿記の勉強をしなければならないし、システムエンジニアはシステム設計やプログラミングを習わないと仕事ができない。
一方、先述したコンセプチュアルスキルやヒューマンスキルは「マスト(Must)」ではなく、どちらかというと「ナイストゥハブ(Nice to have)」の勉強となる。「あればよい」けれど「必須」ではないと受け止められがち。
なので、「『ロジカルシンキング』の研修を受けてみないか?」「『マネジメントスキル』をゼロから学べる講座があるが、どうだ?」と会社からすすめられても、
「時間があればぜひ受けたいのですが、最近忙しいので……」
などと言って断る人が実に多い。私自身がこういった研修の講師をしているので、この点は肌で感じている。
しかし、この姿勢は極めてもったいない。「忙しいから研修を受けられない」ではなく、「研修を受けるために、仕事のダンドリを整えよう」「日ごろから上司と対話を心掛けよう」と意識すべきだ。
その意識だけで、ポータブルスキル、ヒューマンスキル向上に役立つ。
せっかく手厚い社内制度があり、活用できる権限があるのにもかかわらず、まるで無関心の人はとても多い。以前、会社を辞めてフリーランスになった人が「独立してからは勉強するのにもお金がかかる。会社員のときにしっかりと社内制度を活用しておけばよかった」と言って、とても後悔されていた。
また、社内制度を活用すれば堂々と業務時間内に勉強できる。もし時間外であったとしても、それは残業として見なされる。
社内制度をよく知らないという人は、今すぐ確認したほうがいい。社内制度を利用せず、自分のお金で、しかも業務時間外にオンラインサロンに参加したり、コミュニティーに所属して時間を浪費したりするのはやめよう。
「楽しむこと」が目的ならいいが、純粋な勉強、スキルアップにはつながらない。勉強は原則、一人でやるものだから。
35歳でコンサルタントに転職し、トップに上り詰めた著者が「20年間毎日」実践している最強独学システム!
「フェルミ推定」「ロジックツリー」「ピラミッドストラクチャー」「アクティブリスニング」「ZOPA」「BATNA」「PMBOK」、さらには「AIスキル」など計20種、コンサルタントだけではなくビジネスパーソン必須の“仕事で役立つ知識・スキル”を最短最速で身に付ける!
与えられて取り組む学生時代の勉強とは全く異なる、新人もベテランも一生使える「社会人のため」の学習法とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
部下から「給料を上げてください」と言われたら、上司のあなたはどう返す?
もしこんな相談を受けたら、決して避けてはいけない。上司がどう向き合うべきか解説する。
部下が相談する気をなくす、上司の無神経な「たった一言」
部下が報連相しようとしたときの上司の何気ない「ある一言」が、部下の心を萎縮させているのだ。
「お前はどうしたい?」しか言わない上司の自己満足 「考えさせる風」コミュニケーションが招く悲劇
この認識のズレが、若手社員の成長を阻害する要因にもなっている。
「自責思考を持て」という“無敵論法”の危うさ 素直な若手ほど潰れるワケ
上司から「自責の念を持て」「他人のせいにするな」と言われた経験はないだろうか。
“残念な上司”が作る「会議資料」の特徴 ムダをなくす3つの改善策は
会議資料を一目見ただけで、その上司が「できる人」か「残念な人」かが分かる。
