なぜ繁忙期も「あの同僚だけ残業せずに帰れる」のか? デキル人が無意識に使う思考パターン(2/4 ページ)
あなたのまわりにいないだろうか? 難易度の高い仕事をいくつも抱えているのにもかかわらず、涼しげな表情でサクサク仕事をこなす同僚が。
「スケール推定」とは何か? 具体的な3つの手順
「スケール推定」とは、著者の造語である。主に作業時間を概算するときに使う。作業計画を立てるときや、状況に応じて慣れない仕事をするときにとても役立つ。
例えば上司から突然、「新規開拓用のリストを作ってくれ」と仕事を頼まれたとき、どんな感情を抱くだろうか。
過去にほとんどやったことがない場合、「面倒だな」「忙しいのにそんな時間はない」とついつい思ってしまうことはないだろうか。思考ノイズが頭の整理を邪魔して「面倒だ」「気分が乗らない」という感情に支配されてしまう。だからこそ、ついつい先延ばしにしてしまうのだ。
そんなときは「スケール推定」を使って作業時間を見積もればいい。グダグダ考える前にどれぐらい時間がかかるのかをざっくり概算してみるのだ。そうすれば不思議と感情がコントロールしやすくなる。余計な思考ノイズが減って気持ちが軽くなるからだ。
「スケール推定」のポイントは次の3つだ。
- 細かく分解する
- 極端な数字から近づける
- 実践後に記録する
1つ目のポイントは、できる限り分かりやすい単位に分解することだ。例えば、新規開拓用リストの作成であれば「新規開拓用リストの作成はどれぐらいの時間がかかるか?」と自問自答しても概算するのは難しい。だから、まずは必要なタスクを紙に書き出してみるのだ。
- 新規顧客の条件を確認する
- 顧客データベースから条件に合ったデータを抽出する
- 新規顧客リストのフォーマットを作成する
- 新規リストのフォーマットに抽出データをペーストする
このようにタスク分解すれば、概算しやすくなる。実際に概算した数字を当てはめてみよう。
- 新規顧客の条件を確認する(10分)
- 顧客データベースから条件に合ったデータを抽出する(2分)
- 新規顧客リストのフォーマットを作成する(15分)
- 新規リストのフォーマットに抽出データをペーストする(2分)
一つ一つのタスク処理にかかる時間を大体でいいので見積もれば「アタリ」をつけられる。
「新規顧客の条件さえ分かれば、30分以内で終わりそうだ」
細かく分解することで、このように精度の高い仮説が出来上がる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
部下から「給料を上げてください」と言われたら、上司のあなたはどう返す?
もしこんな相談を受けたら、決して避けてはいけない。上司がどう向き合うべきか解説する。
「お前はどうしたい?」しか言わない上司の自己満足 「考えさせる風」コミュニケーションが招く悲劇
この認識のズレが、若手社員の成長を阻害する要因にもなっている。
部下が相談する気をなくす、上司の無神経な「たった一言」
部下が報連相しようとしたときの上司の何気ない「ある一言」が、部下の心を萎縮させているのだ。
「自責思考を持て」という“無敵論法”の危うさ 素直な若手ほど潰れるワケ
上司から「自責の念を持て」「他人のせいにするな」と言われた経験はないだろうか。
“残念な上司”が作る「会議資料」の特徴 ムダをなくす3つの改善策は
会議資料を一目見ただけで、その上司が「できる人」か「残念な人」かが分かる。
