なぜ繁忙期も「あの同僚だけ残業せずに帰れる」のか? デキル人が無意識に使う思考パターン(3/4 ページ)
あなたのまわりにいないだろうか? 難易度の高い仕事をいくつも抱えているのにもかかわらず、涼しげな表情でサクサク仕事をこなす同僚が。
なぜバカバカしいほど極端な数字から始めるのか?
「スケール推定」の2つ目のポイントは、極端な数字をうまく使うことだ。
経験がなく、全く見当がつかない数字を見つける場合は、極端な数字から考え、正解に近づけるほうがいい。慣れると、とてもカンタンに「スケール推定」ができる。
例えば、分厚い資料を渡されて、「全て読み込んで分析して」と言われても、一度もやったことがない仕事ならどれぐらいの時間で終わるかまるで想像がつかない。そういう場合は、いったん「バカバカしいほど極端な数字」からスタートして正解に近づけていく。この分厚い資料を読み込むのに、
- 1年かかるか?
- 半年かかるか?
- 1カ月かかるか?
- 1週間かかるか?
- 1日かかるか?
このように予想していくのだ。最初から正解に近い値を考えようとすると思考停止になってしまう。「見当もつかない」だと、無意識のうちに考えることを拒否してしまうのだ。
しかし「1年かかるか?」とバカバカしいほど大きな数字からスタートすると、頭は回転し始める。そして、すぐさま「ノー!」という答えを出してくれるだろう。
「半年かかるか?」「1カ月か?」「1週間か?」と自問自答しても同じだ。即座に「ノー!」と答えが出るようになり、滑らかに頭が回るようになる。まさにこれは思考のウォーミングアップのようなものだ。頭の準備体操が終われば、
- 6時間かかるか?
- 3時間かかるか?
- 1時間かかるか?
と徐々に現実的な正解に近づいてきたとしても、正常に考えられるようになる。思考停止にならずに済むのだ。
「3時間はかからないが、2時間ぐらいはかかるかも……」
「いや、2時間以上はかかるか。2時間半かな……」
このように見積もることができるだろう。経験がない作業や慣れないタスクを処理する場合、バカバカしいほど極端な数字から考えるようにしてみるのだ。
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