タスクが終わっていないのに何も報告しない部下、実は上司が悪いワケ:「キレイごとナシ」のマネジメント論(5/5 ページ)
仕事の現場では、しばしば「タスク」という言葉が飛び交う。しかし、このタスクという概念を正しく理解せずに使っている人も多いようだ。
タスクが終わっていないのに何も報告しない部下への対処
では実際に、タスクが終わっていないのに報告しない部下にどう向き合うか。
最初にするべきは、タスクが明確に分解されているかを確認することだ。雑な指示で部下が混乱していないか、スケジュールに載せられるほど明確な行動計画になっているかを点検する。もし不十分ならば、一緒に作り直す必要があるだろう。
次に、報連相が億劫(おっくう)になっていないかを見極める。
部下にしてみれば、
「こんな初歩的なことをわざわざ報告する必要があるのか」
と思う内容かもしれない。しかし、それは上司が判断することだ。報連相を繰り返すうちに、「自分のため」「相手のため」にどんな情報が必要かが、自然と分かるようになってくる。
上司は「待つ」だけではなく、報連相のハードルを下げる工夫も必要だ。チャットツールを活用したり、定例ミーティングで一言ずつ進捗を話してもらったりするなど、小さな仕組みを整えておく。部下が報告しやすい環境を整えることが、結果として仕事の効率を上げる。
まとめ
タスクが終わっていないのに何も報告しない部下には、まずタスクが整理されているかどうか確認すること。そして報連相の重要性を伝えつつ、相談のハードルを下げる工夫をすることだ。
たかが報連相、されど報連相である。
私はビジネスにおいて最強のコミュニケーションが「報連相」だと考えている。部下にも「報連相の鬼になれ」と常に伝えている。「やりすぎ」と叱られるぐらい、上司にもお客さまにも報告・連絡・相談をすればいい。
「報連相の鬼」になれば、自分が抱えているタスクを整理するきっかけにもなるのだ。組織全体の力を高めるためにも、報連相を徹底していこう。
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