「いつも迷惑かけてばかりで……」 自分の情けなさを“やたら嘆く”部下との接し方:はじめはとても好印象だった(2/4 ページ)
嘆くだけではいつまでたっても仕事ができるようにはならない。
自分のいたらなさを素直に認めるが……
『そのまま、というのは?』(著者、以下同)
「いつまでたっても一人前にできるようにならないんです。もう半年以上になるんですよ」
『通常は半年くらいで一人前にできるようになるんですか?』
「あっ、一人前というのはちょっと言いすぎでした。初歩的なミスをせずに、とりあえず人に聞かなくても自分でやれるようになる、っていうことです。普通は1カ月もすれば、その程度にはできるようになるんです。それが半年たっても変わらず初歩的なミスをするんです。そして先輩に指摘されると、『すみません。仕事が全然できなくて皆さんの足を引っ張るばかりで……』と、自分のいたらなさを素直に認め、反省をするんですけど、なかなか改善されないんです」
『自分がうまく仕事ができていないことは素直に認めるし、反省を口にするけれども、まったく改善されない、ということですか』
「そうです。どうなってるんだと思い、本人を呼び出し、個別に話したんです。何か特別な事情でもあるのかと思って。でも、とくに何もなくて……」
『特段、何も事情はなかった、と』
「はい。ひたすら反省を口にはするんですけどね。『いつも気になっているんですけど、仕事ができずに皆さんの足を引っ張るばかりで、ほんとに申し訳なくて……』と言うのを聞いたときは、『そう思うなら、いい加減できるようになれよ!』と怒鳴りたいのを必死にこらえましたよ。いくら反省しても、一向に仕事のやり方が改善されないんで」
『確かに、そんな調子では困ってしまいますね』
「自分が仕事でちゃんとできてないと分かっているなら、普通はこのままではいけないと焦るもんでしょ。で、必死になって仕事を覚えようとするじゃないですか」
『自分ができないことで周囲に迷惑を掛けているという自覚があるなら、何とかできるようになって、足を引っ張らないようになりたいって思うでしょうね』
「そうですよね。でも、彼女を見てると、自分ができないことを嘆きはしても、できるようになりたいっていう思いがないんじゃないか、って疑いたくなるんです。そういう人もいるんですかね。できるようになりたいって思わない人も……」
『その方がどんな思いなのかは分かりませんけど、できるようになりたい、できるようにならなくちゃ、っていう思いがあっても、どうしたらできるようになるかが分からなければ、できるようにならないですよね』
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