誰もついてこない“エアプ上司”にならないために 気を付けたい3つの口グセ:「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/4 ページ)
いわゆる「エアプ上司」の存在に悩む声が、昨今増えている。なぜか?
「エアプ上司」の3つの特徴
そもそも「エアプ上司」とは、どんな上司を指すのか。特徴は以下の3つである。
- 実績の誇大広告が多い
- はやり言葉を多用する
- 曖昧(あいまい)な指示で逃げる
それでは、一つ一つ解説してこう。
1. 実績の誇大広告が多い
「エアプ上司」の最大の特徴は“誇大広告”だ。
「私だって、若いころはこれと同じようなことをやってきた」
「昔はもっと大変だったんだぞ」
と過去の実績を声高に語る。しかし具体的なプロセスを尋ねると、途端に歯切れが悪くなる。そもそも実績自体が曖昧なケースも少なくない。例えば海外赴任の経験が数カ月しかないのに、「私も海外でバリバリやってきた」などと大げさに語るのが典型だ。
短期出張レベルの体験を、さも数年単位の駐在経験であるかのように話す。このような誇大広告は、やがて部下たちに見抜かれることになる。
2. はやり言葉を多用する
2つ目の特徴は、DXと生成AIなど、世間で話題のキーワードを頻繁に口にすることだ。エアプ上司は、こういった言葉を会議の場で連発し、さも詳しそうに振る舞う。
「うちの会社も生成AIを導入していこう」
「もっとDXを推進して、仕事を効率化できないのか?」
このような旗振り役を演じる。ただし、どのような業務に活用すべきかのアイデアはない。セキュリティ上の課題も把握していない。社内データの扱い方も理解せず、単に「時代の流れに乗り遅れたくない」という焦りから安易に使っているだけのように見える。
3. 曖昧な指示で逃げる
3つ目の特徴は、
「それは現場で考えろ」
「具体的なことは、君たちで何とかしろ」
など、具体性に欠ける指示ばかり出すことだ。エアプ上司は、自分自身が答えを持っていない。
そのため細かい質問をされると「それは、うまいことやってくれ」などと言って逃げてしまう。
例えば「ChatGPTを使って業務効率を上げろ」と指示を出しておきながら、なぜAIなのか? どの業務にどう活用すべきか? といった具体的なことを言わない。
「とりあえずやってみて」
「細かいことは、君たちの判断に任せるから」
といった言葉で責任を丸投げしてしまう。結果として、部下は方向性を見失い、貴重な時間と労力を無駄にするだろう。
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