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誰もついてこない“エアプ上司”にならないために 気を付けたい3つの口グセ:「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/4 ページ)
いわゆる「エアプ上司」の存在に悩む声が、昨今増えている。なぜか?
「ダニング=クルーガー効果」を知ろう
エアプ上司は、なぜ知ったかぶりという行動を取ってしまうのか。その理由の一つに「ダニング=クルーガー効果」という心理現象があると私は考えている。
「ダニング=クルーガー効果」とは、能力や知識が乏しい人ほど自分のスキルを過大評価してしまうという傾向だ。研究者のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーが提唱したこの理論によれば、知識が足りないがゆえに自分の未熟さに気付けないことが最大の問題だという。
例えば生成AIについて表面的な知識しか持たない上司が、
「AIを使えば業務は劇的に効率化する」
と根拠なく断言するようなケースだ。そして部下に「とにかくAIを使え」と指示を出し、具体的な質問には曖昧な返答しかできない。
本来であれば、経験や知識の不足を自覚し、謙虚に学ぼうとする姿勢が必要だ。しかし「ダニング=クルーガー効果」により、
「この本に詳しいことが書かれていた。ChatGPTは使える」
「AIのセミナーにも参加した。これはすごいぞ」
などと鼻高々だ。「自分は十分に理解している」という過剰な自信を持ってしまう。結果として、的外れな方針を示し、現場を混乱に陥れることになる。
エアプ上司の最大の問題は、この「能力の低さを認識できない状態」にある。自分こそが正しいと思い込むため、部下からの指摘や意見に耳を傾けることもできない。実力の裏付けがないまま強引に組織を動かそうとする姿勢は、結果として組織全体の成長を妨げることになる。
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