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“当てずっぽう”で仕事する部下、どうしたら良い?「キレイごとナシ」のマネジメント論(5/5 ページ)

とにかく行動力がすごい。スピード感もある。誰よりもチャレンジ精神を持っている。なのに、なかなか成果が出ない。そんな部下を、どう指導したらいいのか。

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「センターピン思考」を身につける3つのコツ

 「センターピン思考」を身につけるために、次の3つのコツを意識していこう。

現状分析する

 「センターピン思考」を身につけるには、まず現状分析からはじめよう。数値化できるものは数値化し、成果に結び付く要素(KSF=重要成功要因)を見つけていく。自分だけの視点では足りないこともあるので、すでに成果を出している人の意見も積極的に取り入れよう。

 このとき、思い込みやこだわりを取り払うことが大事だ。

 「企画を通したいのなら、本部長と信頼関係を築いておくのが、いちばん早いよ」

 と誰かに言われても、

 「うーん、でも、そういうことはしたくないんだよ」

 と、こだわりを出してはいけない。素直になれない人には、正しいアドバイスは集まらないし、そもそものKSF(重要成功要因)が正しいかどうかの検証もできないからだ。

ボトルネックを絞る

 何をすればいいかを見つけることも大事だが、何がボトルネックかも同じように大切な要素だ。データや他者視点をうまく活用して、見つけていこう。

 ある営業が、「結局は訪問件数が成果に直結する」というKSF(重要成功要因)を見つけたとしよう。

 「提案の中身も大事だが、いかにお客さまに顔を出すかのほうが大事。明らかにデータが証明している」

 ところが、なかなか訪問件数を増やすことができない。データで調べてみると、毎朝10時から30分のミーティングが入っている。活動的な朝の時間を、この30分のミーティングが阻害していることが分かった。つまり、これがボトルネックである。

 そこで、そのミーティングは欠席して、朝礼後の9時15分からオフィスを出ることにした。そうすることで朝から勢いに乗ることができ、お客さまへの訪問件数が1.5倍ほど伸びるとしたら、「毎朝9時15分にオフィスを出る」ことこそがセンターピン、ということになる。

小さな成功と検証をくり返す

 センターピン思考で大事なのは、一度施策を打ったら終わりではないことだ。結果がどう出るかをまめに見ながら、必要なら軌道修正をしよう。うまくいった場合も、それが一時的なアタリなのか、再現性があるのかを絶えず確認する。

 小さな成功を積み重ねていくうちに、部下は「センターピン思考」を肌で感じるようになるはずだ。

まとめ

 当てずっぽうな仕事ぶりは、一見アクティブに見える。無我夢中で頑張っている姿勢は、ほほえましく思えることもある。しかし成果を上げるうえでは遠回りになることが多い。

 とはいえ、ただ叱るだけでは本人の持ち前の行動力を失わせてしまうはずだ。大事なのは一緒になって「狙いどころ」を定めてあげることだ。そうすることで、一気に成長する可能性も高い。上司は部下に「センターピン思考」を身につけさせることで、自分自身の負荷も軽くなることを覚えよう。

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