ヨーカ堂、原宿・竹下通りに「新業態」 30坪の“小さなお店”で、何を売る?(2/3 ページ)
イトーヨーカ堂は3月5日、東京・原宿の竹下通りに新業態「TOYLO MART(トイロマート) 原宿店」を開業した。同社が期待をかける背景には、ヨーカドー内のある“売り場”の好調があるようだ。
“体験型”おもちゃ売り場が好調
イトーヨーカ堂がファミリー向けのおもちゃ売り場「TOYLO PARK(トイロパーク)」の展開を開始したのは、2021年のこと。
現在はヨーカドーやアリオなどの店内に7店舗を展開している。「パーク」の名の通り、子どもが実際におもちゃで遊べるエリアを用意している点や、600〜800坪ほどの広さを確保している点が特徴だ。「子どもが行きたい空間」を創出することで、ファミリー層の集客につなげる狙いがある。
同社の山幡耕司氏(専門店事業部 スクール&ホビー部 統括マネジャー)は、「よく『キッズリパブリック』(イオンが展開する子ども用品売り場)と比較されるが、似て非なるもの。競合は同業他社ではなく、休日にファミリーが遊ぶ場である『公園』だ」と強調する。
改装の効果は数字にも表れており、トイロパークに改装したおもちゃ売り場では、売り上げが1.3〜1.8倍伸長したという。23年に導入したららぽーと横浜店や、24年に導入したアリオ亀有店では「食品や衣料・住居カテゴリーの売り上げにもつながった」と山幡氏はみている。
同社は学用品に特化した「TOYLO SCHOOL(トイロスクール)」も3店舗展開している。こちらは小学生を中心に、高校生までの年代をターゲットに据えている。
トイロマート原宿店の開業により、「トイロ」ブランドの認知拡大と他店への送客を図る。原宿の店舗で「トイロパーク」各店舗の限定商品について告知し、送客につなげる施策を構想しているという。
「原宿は流行に敏感なお客が多いので、トレンド商品の反応は良い。30坪の小さなお店だが、戦略的に活用することで『トイロパーク』『トイロスクール』の成長につなげられると考えている」(山幡氏)
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