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12万足売れた「歩くぬか袋」 米農家の社長、“門前払い”から大ヒットの執念(4/5 ページ)

小学校時代の思い出から着想を得た、商品開発の秘話とは。

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「売る」前に「証明する」 エビデンス集めへの執念

 販売の出発点は見つかったものの、本格的な事業展開にはまだ壁があった。そんな中、鈴木氏の娘である鈴木みどり氏が、大手航空会社の仕事から帰郷。「父が苦労している姿を見て手伝いたい」という思いからだった。

 みどり氏は営業同行のほか、楽天やAmazonなどのECサイト運営を独学で担当。新たな販売チャネルが広がり始めたが、鈴木氏が次に注力したのは意外にも「売ること」ではなかった。

 「東京の百貨店で門前払いを受けた経験から、『興味を持ってもらえない』『米ぬかだけでは説得力がない』という課題が分かりました。だからこそエビデンス集めが必要だったんです」と鈴木氏。

 肌試験などには1回300万円ほどかかり、自費で5000〜6000万円を投じたという。「売り上げはほとんどなく、お金ばかり使っていきました。でも、大手企業でも結果が出るか分からないものに稟議は通らないでしょう。他社では絶対に手が出せない領域だったからこそ、私たちだけの強みになった」と語る。


徹底的に調査して効果を検証 「歩くぬか袋」着用イメージまであと3枚

 このように地道にデータを積み上げていく中、思わぬ形で転機が訪れる。予期せぬ形で「米ぬかソックス」がテレビ放送されることになったのだ。

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