パナソニックが開発した「ととのう風」 サウナ施設で自然の風を再現する理由(2/5 ページ)
パナソニックグループの空質空調社は、自然の風を再現した「ととのう風」を作り出す気流デバイスを開発した。温泉施設やサウナで実証実験を始めているが、「ととのう風」とはどんな風なのか。
どうやって「ととのう風」を作っているのか
「空気から、未来を変える。」をブランドスローガンに掲げる空質空調社では、換気送風機器や空調機器などをグローバルに展開している。100年を超える空気の研究に水のテクノロジーをかけ合わせ、さまざまな事業を展開するなかで、「自然の風」を屋内で再現する技術が生まれた。
「まず、自然豊かな屋久島の風を採取して、心地いい風の特徴を分析しました。その結果、『乱れが少なくなめらか』『体の一部ではなく全身で受ける』『人間が本能的に心地よさを感じる1/fゆらぎ』の3つの特徴が明らかになりました。そうした風を再現したのが『ととのう風』です」(小田氏)
その真逆が一般的な扇風機の風で、「乱れのあるバサバサした風」「体の特定部分に当たる」「ゆらぎのない一定パターン」の特徴があり、これらがストレスの原因になるようだ。
「ととのう風」を再現したデバイスは、ホテルや住宅になじむよう細長い羽根板を平行に並べた「ルーバーデザイン」を基本とする。開放感を損なわず適度な目隠しになるため、近年人気が高いそうだ。
木目板の1本1本に細長い切れ込みが入っていて、そこから風が出る仕組み。ファンは床下など見えないところに隠し、ソフトウェアを使って1/fゆらぎを再現している。板から風を出すことで、周囲の空気が誘引されて気流が発生し、それが全身で感じるやわらかい風になる。風の強さはコントロール可能だ。
エアコンと併用する際は、エアコンの風の流れを踏まえ、互いに干渉しないように設計する必要があるという。
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